投資モデルのメタ分析
メタ分析・2003年・Personal Relationships
この研究は何をしたか
投資モデルを検証した52研究・60標本・11,582名を統合した。
何が分かったか
満足度・投資量・代替の質はいずれもコミットメントと有意に関連し、合わせて分散のおよそ3分の2を説明した。もっとも強いのは満足度。
読むときの注意
恋愛以外(仕事など)にも当てはまるが、恋愛のほうが当てはまりは強い。相関研究の統合。
この研究が根拠になっている悩み(9件)
- 恋人がいるのに、他の人が気になる 強い
「他が気になる」は、コミットメントの構成要素が動いたシグナルとして説明できる。 - 我慢は関係にいいのか そこそこ
きつい態度に同じ態度で返さず、落ち着いて応じる人ほど関係の質が高い。ただし測っているのは言い返さない行動であって、不満を飲み込むことではない。 - 別れる関係は、何で決まるのか 強い
別れをもっともよく当てるのは、続ける気持ち・愛情・関係への慣れの3つ。年齢や収入といった条件の当たり方は弱い。 - 冷却期間を置けば、復縁できるのか 弱い
「冷却で価値が上がる」を確かめた研究は見つからない。投資モデルのほうが説明力がある。 - 元恋人のSNSを見続けると、立ち直れないのか そこそこ
見る頻度が高い人ほど、苦しさ・未練・欲求が強く、成長の実感が低い。会う時間が多い人は2か月後の苦しさが高い。 - 「運命の人」がいると思うと、どうなるのか そこそこ
関係についての信じ方(運命か、成長か)が、問題が起きたときの行動と結びついている。 - ここまで来たから、別れられないのか そこそこ
戻らない投資の大きさが、続けるかどうかの判断に入り込む。 - 復縁したあと、うまくいくのか そこそこ
戻った関係は平均して質が低く、回数で悪化する。分けているのは戻る理由と、満足度・代替の質。 - 手をかけた関係ほど、価値が高く見えるのか 強い
自分で手をかけたものの価値評価は上がる。ただし完成した場合に限られる。
関係する理論
同じ話題で参照している研究
- 投資モデルの原典(実証研究・1980)
関係を続ける力は、満足度だけでは決まらない。積み上げた投資と、他の選択肢の魅力の両方が効く。 - 代替の切り下げ(実験・実証・1989)
コミットメントが高いほど、代替となりうる相手を実際より低く評価した。関係を守る自動的な維持メカニズム。 - 相互依存理論(理論書・1959)
投資モデルの「満足度」と「代替の質」はここから直接引き継がれている。 - 認知-感情処理システム(理論・1995)
拒絶感受性のような構成概念は、この枠組みの中に位置づけられる。「性格が弱い」ではなく、特定の状況で起動する処理の癖。 - 知るほど冷める(実験・2007)
情報が増えるほど好意度は下がる傾向が見られた。情報が少ないうちは、似ている点を想像で埋めているためと解釈された。 - 適応行動(実証研究・1991)
仕返しの衝動を抑えて建設的に応じる傾向が高いほど、関係の質が高かった。コミットメントが高い人ほどこの行動を取りやすい。
書誌情報
Le, B., & Agnew, C. R. (2003). Commitment and its theorized determinants: A meta-analysis of the Investment Model. Personal Relationships, 10(1), 37–57.