相互依存理論

理論書・1959年・Wiley

この研究は何をしたか

人間関係を、得られる結果と比較水準(期待値・代替の質)の関係として記述する枠組みを提示した。

何が分かったか

投資モデルの「満足度」と「代替の質」はここから直接引き継がれている。

読むときの注意

理論的枠組みであり、特定の効果量を示すものではない。

この研究が根拠になっている悩み(13件)

関係する理論

  • リスク調整モデル(社会心理学 / 対人関係研究(relationship science))
    人は誰かに近づくとき、「つながりたい」という接近の目標と「拒絶されて傷つきたくない」という自己防衛の目標を同時に走らせている。どちらが勝つかを決めるのは、「相手が自分をどう見ているか」の推定。ここが低く見積もられていると、認知・感情・行動の3つのif-thenルールがすべて防衛側に倒れる。
  • 投資モデル(社会心理学 / 相互依存理論の系譜)
    関係を続ける力(コミットメント)は、満足度 + 投資量 − 代替の質 で決まる。コミットメントが高い人は、他の選択肢を無意識に低く評価する(代替の切り下げ)。
  • 相互依存理論(社会心理学 / 社会的交換の系譜)
    人間関係を、得られる結果と比較水準(期待値・代替の質)の関係として記述する枠組み。

同じ話題で参照している研究

  • リスク調整モデル(レビュー・2006)
    相手の好意への確信が高い人は、脅威になりうる出来事を関係の確認に使う。確信が低い人は、同じ出来事を愛情が弱まった証拠として解釈し、先に距離を取る。
  • 拒絶感受性(実験(4研究)・1996)
    拒絶感受性が高い人ほど、そっけない対応などの曖昧な行動に意図的な拒絶を読み取った。本人もパートナーも関係に不満を抱えやすい。
  • 拒絶感受性メタ分析(メタ分析・2023)
    拒絶感受性が高い人ほど、自己評価する魅力度が低く、嫉妬が強く、パートナーからの愛情表現を少なく知覚する傾向があった。
  • 投資モデルの原典(実証研究・1980)
    関係を続ける力は、満足度だけでは決まらない。積み上げた投資と、他の選択肢の魅力の両方が効く。
  • 代替の切り下げ(実験・実証・1989)
    コミットメントが高いほど、代替となりうる相手を実際より低く評価した。関係を守る自動的な維持メカニズム。
  • 投資モデルのメタ分析(メタ分析・2003)
    満足度・投資量・代替の質はいずれもコミットメントと有意に関連し、合わせて分散のおよそ3分の2を説明した。もっとも強いのは満足度。

書誌情報

Thibaut, J. W., & Kelley, H. H. (1959). The Social Psychology of Groups. Wiley.

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