手をかけた関係ほど、価値が高く見えるのか
IKEA効果。ただし条件がひとつあります。完成したときだけ、です。
自分で手をかけて作ったものを、人は実際より高く評価します。ただし途中で壊した場合や作り終えられなかった場合には、この効果は消えました。
恋愛工学の答え
相手の投資を積ませる運用です。方向は同じですが、条件の部分が落ちています。
研究の答え
家具の組み立て、折り紙、ブロック。自分で作らせた完成品を、作らなかった人の評価と比べた実験があります。
自分で手をかけたものを、人ははっきり高く評価しました。 素人の作品を、専門家の作品と同じくらいの価値があると見なしていたほどです。しかも、他人も同じように評価するはずだと思っていました。
ここまでは「手をかけたものは可愛い」という実感どおりです。
面白いのは条件のほうです。効果が出たのは完成したときだけでした。 途中で壊した場合や、作り終えられなかった場合には消えています。
つまり手間そのものが価値を生むのではなく、やり遂げたという事実が効いていることになります。サンクコスト効果とは向きが違う点です。あちらは判断の歪みの話、こちらは価値評価が実際に上がる話です。
研究の中身
議論されている点
条件のほうが本体の一部です。やり遂げたという事実が効いており、手間そのものが価値を生むわけではありません。途中で終わった場合には効果が消えています。
扱われたのは物の制作であって、関係ではありません。関係の側を直接扱っているのは投資モデルで、そちらでは投資量の多さがコミットメントを高めることが確認されています。
使っている理論
参照している研究
- Rusbult, C. E. (1980). Commitment and satisfaction in romantic associations: A test of the investment model. Journal of Experimental Social Psychology, 16(2), 172–186.
- Johnson, D. J., & Rusbult, C. E. (1989). Resisting temptation: Devaluation of alternative partners as a means of maintaining commitment in close relationships. Journal of Personality and Social Psychology, 57(6), 967–980.
- Le, B., & Agnew, C. R. (2003). Commitment and its theorized determinants: A meta-analysis of the Investment Model. Personal Relationships, 10(1), 37–57.
- Thibaut, J. W., & Kelley, H. H. (1959). The Social Psychology of Groups. Wiley.
- Norton, M. I., Frost, J. H., & Ariely, D. (2007). Less is more: The lure of ambiguity, or why familiarity breeds contempt. Journal of Personality and Social Psychology, 92(1), 97–105.
- Arkes, H. R., & Blumer, C. (1985). The psychology of sunk cost. Organizational Behavior and Human Decision Processes, 35(1), 124–140.
- Norton, M. I., Mochon, D., & Ariely, D. (2012). The IKEA effect: When labor leads to love. Journal of Consumer Psychology, 22(3), 453–460.