投資モデルの原典

実証研究・1980年・Journal of Experimental Social Psychology

この研究は何をしたか

相互依存理論に「投資量」を加え、コミットメント=満足度+投資量−代替の質という枠組みを提示・検証した。

何が分かったか

関係を続ける力は、満足度だけでは決まらない。積み上げた投資と、他の選択肢の魅力の両方が効く。

読むときの注意

以後の検証の出発点。効果量の推定はのちのメタ分析(Le & Agnew, 2003)による。

この研究が根拠になっている悩み(7件)

関係する理論

  • 投資モデル(社会心理学 / 相互依存理論の系譜)
    関係を続ける力(コミットメント)は、満足度 + 投資量 − 代替の質 で決まる。コミットメントが高い人は、他の選択肢を無意識に低く評価する(代替の切り下げ)。

同じ話題で参照している研究

  • 代替の切り下げ(実験・実証・1989)
    コミットメントが高いほど、代替となりうる相手を実際より低く評価した。関係を守る自動的な維持メカニズム。
  • 投資モデルのメタ分析(メタ分析・2003)
    満足度・投資量・代替の質はいずれもコミットメントと有意に関連し、合わせて分散のおよそ3分の2を説明した。もっとも強いのは満足度。
  • 相互依存理論(理論書・1959)
    投資モデルの「満足度」と「代替の質」はここから直接引き継がれている。
  • 知るほど冷める(実験・2007)
    情報が増えるほど好意度は下がる傾向が見られた。情報が少ないうちは、似ている点を想像で埋めているためと解釈された。
  • 適応行動(実証研究・1991)
    仕返しの衝動を抑えて建設的に応じる傾向が高いほど、関係の質が高かった。コミットメントが高い人ほどこの行動を取りやすい。
  • 別れの予測因のメタ分析(メタ分析・2010)
    もっとも強く予測したのはコミットメント・愛情・関係への適応といった内側の変数。人口統計的な属性の予測力は弱かった。

書誌情報

Rusbult, C. E. (1980). Commitment and satisfaction in romantic associations: A test of the investment model. Journal of Experimental Social Psychology, 16(2), 172–186.

次に読むなら

連絡が途絶えたときに言われる助言を、原典まで遡って全部確かめた記事があります。このサイトと同じ4段階で判定しています。無料部分に、結論の表と、判定の4段階と、探し方の手順を全部出しています。

音信不通のときの助言を、原典まで全部検証した(note)

11月23日20時まで500円(通常2,980円)。

新しい検証は note で出しています。note.com/koinokyori

恋愛の俗説を、心理学の原典まで遡って確かめています。
根拠の強さを書けない主張は、このサイトでは扱いません。