別れの予測因のメタ分析
メタ分析・2010年・Personal Relationships
この研究は何をしたか
結婚していない恋愛関係の解消を予測する要因を扱った研究を統合した。
何が分かったか
もっとも強く予測したのはコミットメント・愛情・関係への適応といった内側の変数。人口統計的な属性の予測力は弱かった。
読むときの注意
予測できたのは集団レベルの傾向であり、個別のカップルの将来を当てるものではない。
この研究が根拠になっている悩み(6件)
- 別れる関係は、何で決まるのか 強い
別れをもっともよく当てるのは、続ける気持ち・愛情・関係への慣れの3つ。年齢や収入といった条件の当たり方は弱い。 - 冷却期間を置けば、復縁できるのか 弱い
「冷却で価値が上がる」を確かめた研究は見つからない。投資モデルのほうが説明力がある。 - 元恋人のSNSを見続けると、立ち直れないのか そこそこ
見る頻度が高い人ほど、苦しさ・未練・欲求が強く、成長の実感が低い。会う時間が多い人は2か月後の苦しさが高い。 - 選択肢が多いほど、いい相手に出会えるのか そこそこ
選択肢の多さが選択を妨げる場合があるが、いつ起きるかは特定されていない。 - 元彼が忘れられないのは、なぜか そこそこ
忘れられなさは自己概念の明確さの低下として測られ、回復はその回復として測られている。 - ひとりでいるのは、体に悪いのか 強い
社会的なつながりの強さと、その後の生存には一貫した関連がある。
関係する理論
- 別れの予測因(関係科学 / 縦断研究の統合)
恋愛関係の解消をもっとも強く予測するのは、コミットメント・愛情・関係への適応といった内側の変数。
同じ話題で参照している研究
- 投資モデルの原典(実証研究・1980)
関係を続ける力は、満足度だけでは決まらない。積み上げた投資と、他の選択肢の魅力の両方が効く。 - 投資モデルのメタ分析(メタ分析・2003)
満足度・投資量・代替の質はいずれもコミットメントと有意に関連し、合わせて分散のおよそ3分の2を説明した。もっとも強いのは満足度。 - 離婚予測の交差検証問題(方法論批判・2001)
交差検証を行うと、精度と予測的中率が大きく低下する。報告されていた80〜90%台は、結果を知った後の当てはめによる部分が大きい。 - 認知-感情処理システム(理論・1995)
拒絶感受性のような構成概念は、この枠組みの中に位置づけられる。「性格が弱い」ではなく、特定の状況で起動する処理の癖。 - 所属欲求(レビュー・1995)
所属欲求は空腹などと並ぶ基本的な動機であり、満たされないと認知・感情・健康に広く影響する。 - オンラインデーティングの検証(批判的レビュー・2012)
出会いの数を増やす点は明確な利点。一方、事前のプロフィール情報から相性を予測できるという主張には、支持する証拠が乏しい。
書誌情報
Le, B., Dove, N. L., Agnew, C. R., Korn, M. S., & Mutso, A. A. (2010). Predicting nonmarital romantic relationship dissolution: A meta-analytic synthesis. Personal Relationships, 17(3), 377–390.