サンクコスト効果
実験(10研究)・1985年・Organizational Behavior and Human Decision Processes
この研究は何をしたか
すでに払って戻らない費用が、その後の判断をどう歪めるかを複数の場面で調べた。
何が分かったか
戻らない費用を多く払った人ほど、合理的でなくなっても続けることを選んだ。払った額そのものが判断材料になっていた。
読むときの注意
扱ったのは投資や購入の判断であって、恋愛関係ではない。関係に当てはめるときは、投資モデルの側の検証と分けて見る必要がある。
この研究が置かれている文脈
経済学は「戻らない費用は判断に入れるべきでない」と考えます。この研究は、人が実際にはそうしないことを示しました。恋愛では「ここまで来たから」という形で現れますが、その形での直接の検証は別に必要です。
この研究が根拠になっている悩み(1件)
- ここまで来たから、別れられないのか そこそこ
戻らない投資の大きさが、続けるかどうかの判断に入り込む。
関係する理論
- サンクコスト効果(行動経済学 / 意思決定研究)
すでに払って戻らないものの大きさが、この先どうするかの判断に入り込んでしまう効果。
同じ話題で参照している研究
- 投資モデルの原典(実証研究・1980)
関係を続ける力は、満足度だけでは決まらない。積み上げた投資と、他の選択肢の魅力の両方が効く。 - 代替の切り下げ(実験・実証・1989)
コミットメントが高いほど、代替となりうる相手を実際より低く評価した。関係を守る自動的な維持メカニズム。 - 投資モデルのメタ分析(メタ分析・2003)
満足度・投資量・代替の質はいずれもコミットメントと有意に関連し、合わせて分散のおよそ3分の2を説明した。もっとも強いのは満足度。 - 相互依存理論(理論書・1959)
投資モデルの「満足度」と「代替の質」はここから直接引き継がれている。
書誌情報
Arkes, H. R., & Blumer, C. (1985). The psychology of sunk cost. Organizational Behavior and Human Decision Processes, 35(1), 124–140.