IKEA効果
実験(4研究)・2012年・Journal of Consumer Psychology
この研究は何をしたか
家具の組み立て・折り紙・ブロックを自分で作らせ、その完成品を自分がどう評価するかを、作らなかった人の評価と比べた。
何が分かったか
自分で手をかけたものを、人は高く評価した。素人の作品を、専門家の作品と同じくらいの価値があると見なしていた。
読むときの注意
効果が出たのは完成したときだけ。 途中で壊した場合や、作り終えられなかった場合には消えた。手をかければ何でも価値が上がるわけではない。
この研究が置かれている文脈
サンクコスト効果や投資モデルと隣り合う知見ですが、向きが違います。サンクコストは判断の歪みの話、こちらは手をかけたものの価値評価が実際に上がるという話です。恋愛で「手をかけた関係ほど大事に思える」という形で引かれます。
この研究が根拠になっている悩み(1件)
- 手をかけた関係ほど、価値が高く見えるのか 強い
自分で手をかけたものの価値評価は上がる。ただし完成した場合に限られる。
関係する理論
同じ話題で参照している研究
- 投資モデルの原典(実証研究・1980)
関係を続ける力は、満足度だけでは決まらない。積み上げた投資と、他の選択肢の魅力の両方が効く。 - 代替の切り下げ(実験・実証・1989)
コミットメントが高いほど、代替となりうる相手を実際より低く評価した。関係を守る自動的な維持メカニズム。 - 投資モデルのメタ分析(メタ分析・2003)
満足度・投資量・代替の質はいずれもコミットメントと有意に関連し、合わせて分散のおよそ3分の2を説明した。もっとも強いのは満足度。 - 相互依存理論(理論書・1959)
投資モデルの「満足度」と「代替の質」はここから直接引き継がれている。 - 知るほど冷める(実験・2007)
情報が増えるほど好意度は下がる傾向が見られた。情報が少ないうちは、似ている点を想像で埋めているためと解釈された。 - サンクコスト効果(実験(10研究)・1985)
戻らない費用を多く払った人ほど、合理的でなくなっても続けることを選んだ。払った額そのものが判断材料になっていた。
書誌情報
Norton, M. I., Mochon, D., & Ariely, D. (2012). The IKEA effect: When labor leads to love. Journal of Consumer Psychology, 22(3), 453–460.