悩み 61

みんな、自分より上を狙っているのか

個人の感覚ではなく、行動ログから測った話です。

結論から言うと

出会い系サービスの大規模な記録では、人は自分より望ましさの順位が高い相手に連絡する傾向があり、その差は平均して約25%上でした。順位差が大きいほど返信は来にくくなっていました。

恋愛工学の答え

「自分の市場価値を上げろ。」

順位を前提にした運用です。順位構造が存在するという観測そのものは一致します。

研究の答え

配偶市場には望ましさの順位構造があり、人は自分より上へ送る傾向がある。

出会い系サービスのメッセージ記録を解析した研究があります。誰が誰に送り、誰から返信が来たか。その網の目から、望ましさの順位を推定しました。

結果として、人は自分より順位が高い相手に送る傾向がありました。差は平均して約25%上です。そして順位の差が大きいほど、返信は来にくくなっていました。

つまり、うまくいかない経験の一部は、個人の魅力や努力ではなく、全員が同じ方向に送っている構造から来ていることになります。

ただし言葉の中身に注意が必要です。ここでいう望ましさは、受け取った連絡の量から逆算した順位です。人としての価値ではありませんし、人柄や相性を測ったものでもありません。

出典:Bruch & Newman (2018)

研究の中身

Bruch, E. E., & Newman, M. E. J. (2018). Aspirational pursuit of mates in online dating markets. Science Advances, 4(8), eaap9815.
何をしたか
出会い系サービスの大規模なメッセージ記録から、誰が誰に連絡し、誰から返信が来たかを解析し、望ましさの順位を推定した。
何が分かったか
人は自分より望ましさの順位が高い相手に連絡を送る傾向があり、差は平均して約25%上だった。順位差が大きいほど返信は来にくかった。
どのくらいの強さか
米国4都市の大規模ログ。申告ではなく実際の行動を見ている。

議論されている点

ここでいう望ましさは、受け取った連絡の量から逆算した順位です。 人としての価値ではありませんし、人柄や相性を測ったものでもありません。言葉の強さに引きずられないことが重要です。

また米国4都市の異性間のやりとりに限られ、日本にそのまま当てはまるとは限りません。測られたのは連絡のやりとりであって、関係の続きやすさではありません。

使っている理論

  • 望ましさの階層(計算社会科学 / 配偶市場)— 人は自分より望ましさの順位が高い相手に連絡を送る傾向があり、その差は平均して約25%上だった。
  • 出会いの経路の変化(社会学 / 人口学)— カップルがどこで出会うかは時代とともに変わり、オンラインが最大の経路になった。
  • 身体的魅力(社会心理学 / 対人魅力の古典)— 初対面に近い場面では、身体的魅力が「また会いたい」をもっともよく予測する。

参照している研究

恋愛の俗説を、心理学の原典まで遡って確かめています。
根拠の強さを書けない主張は、このサイトでは扱いません。