望ましさの階層

大規模ログ解析・2018年・Science Advances

この研究は何をしたか

出会い系サービスの大規模なメッセージ記録から、誰が誰に連絡し、誰から返信が来たかを解析し、望ましさの順位を推定した。

何が分かったか

人は自分より望ましさの順位が高い相手に連絡を送る傾向があり、その差は平均して約25%上だった。順位の差が大きいほど返信は来にくかった。

読むときの注意

米国の4都市のデータで、異性間のやりとりに限られる。望ましさは受け取った連絡の量から推定したもので、人としての価値ではない。

この研究が置かれている文脈

恋愛の「格差」を主観ではなく行動ログから測った研究です。誰もが自分より上を狙っているという構造が、個人の努力とは別の層で働いていることを示します。個人の魅力の話に還元されがちな議論に、市場の視点を入れる材料になります。

この研究が根拠になっている悩み(1件)

関係する理論

  • 望ましさの階層(計算社会科学 / 配偶市場)
    人は自分より望ましさの順位が高い相手に連絡を送る傾向があり、その差は平均して約25%上だった。

同じ話題で参照している研究

  • 通過儀礼と集団評価(実験・1959)
    重い通過儀礼を経た条件の参加者が、同じ討論をもっとも高く評価した。払ったコストに合わせて評価が動く。
  • 身体的魅力の効果(実験・1966)
    事前に測った性格や能力ではなく、身体的魅力がもっともよく予測した。
  • 出会いの経路の変化(全国調査(実データ)・2019)
    オンラインで出会う割合が伸び続け、2013年ごろに友人の紹介を上回って最大の経路になった。友人・家族・職場を経由する経路はいずれも減っていた。

書誌情報

Bruch, E. E., & Newman, M. E. J. (2018). Aspirational pursuit of mates in online dating markets. Science Advances, 4(8), eaap9815.
恋愛の俗説を、心理学の原典まで遡って確かめています。
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