自己への他者の取り込み

尺度開発・1992年・JPSP

この研究は何をしたか

二つの円の重なり具合を選ばせるだけで親密さを測る尺度を開発し、その妥当性を検証した。

何が分かったか

「相手を自分の一部として取り込んでいる度合い」が、関係の親密さをよく捉えていた。単純な図形選択が、長い質問紙と同等以上の予測力を持った。

読むときの注意

取り込みが常に良いとは限らない。境界の消失として現れる場合の扱いは別に議論されている。

この研究が根拠になっている悩み(6件)

関係する理論

  • 自己拡張モデル(社会心理学 / 動機づけと親密性)
    人は自己を拡張する(できることや視野を広げる)動機を持ち、親密な関係はその主要な手段になる。
  • 自己への他者の取り込み(社会心理学 / 親密性の測定)
    相手を自分の一部として取り込んでいる度合いが、親密さをよく捉える。

同じ話題で参照している研究

  • 通過儀礼と集団評価(実験・1959)
    重い通過儀礼を経た条件の参加者が、同じ討論をもっとも高く評価した。払ったコストに合わせて評価が動く。
  • 短時間観察の予測力(メタ分析・1992)
    30秒程度の観察でも、人柄や対人的な結果をかなりの精度で予測できた。観察時間を長くしても精度は劇的には上がらない。
  • 離婚予測の交差検証問題(方法論批判・2001)
    交差検証を行うと、精度と予測的中率が大きく低下する。報告されていた80〜90%台は、結果を知った後の当てはめによる部分が大きい。
  • 恋愛への愛着理論の適用(実証研究・1987)
    恋愛関係にも、安定・不安・回避に対応するパターンが観察されることを示した。以後の成人愛着研究の出発点。
  • 身体的魅力の効果(実験・1966)
    事前に測った性格や能力ではなく、身体的魅力がもっともよく予測した。
  • オンラインデーティングの検証(批判的レビュー・2012)
    出会いの数を増やす点は明確な利点。一方、事前のプロフィール情報から相性を予測できるという主張には、支持する証拠が乏しい。

書誌情報

Aron, A., Aron, E. N., & Smollan, D. (1992). Inclusion of Other in the Self Scale and the structure of interpersonal closeness. Journal of Personality and Social Psychology, 63(4), 596–612.

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