出会いの経路の変化
全国調査(実データ)・2019年・PNAS
この研究は何をしたか
米国の全国標本を使い、カップルがどこで出会ったかの経路が時代とともにどう変わったかを追った。
何が分かったか
オンラインで出会う割合が伸び続け、2013年ごろに友人の紹介を上回って最大の経路になった。友人・家族・職場を経由する経路はいずれも減っていた。
読むときの注意
米国のデータであり、日本にそのまま当てはまるとは限らない。出会いやすさの話であって、関係の続きやすさの話ではない。
この研究が置かれている文脈
出会いを個人の魅力の問題として語る議論に、市場の構造という視点を入れる材料になります。誰と出会えるかは、本人の努力より経路の変化に大きく左右されてきた、というのがこのデータの含意です。
この研究が根拠になっている悩み(2件)
- いい出会いは、どこから来るのか そこそこ
出会いは個人の魅力だけでなく、人間関係の構造と経路の変化に左右される。 - みんな、自分より上を狙っているのか そこそこ
配偶市場には望ましさの順位構造があり、人は自分より上へ送る傾向がある。
関係する理論
- 出会いの経路の変化(社会学 / 人口学)
カップルがどこで出会うかは時代とともに変わり、オンラインが最大の経路になった。
同じ話題で参照している研究
- 通過儀礼と集団評価(実験・1959)
重い通過儀礼を経た条件の参加者が、同じ討論をもっとも高く評価した。払ったコストに合わせて評価が動く。 - 情動の二要因理論(実験・1962)
同じ興奮でも、それをどう解釈するかで感じる情動が変わる。吊り橋実験はこの理論の応用として設計された。 - 近接性と友人形成(現地調査・1950)
物理的な近さ(同じ階、階段の近く)が、友人関係の形成をよく予測した。 - 身体的魅力の効果(実験・1966)
事前に測った性格や能力ではなく、身体的魅力がもっともよく予測した。 - 名字の五十音順で席が近い人ほど、友人に選ばれていた(現地調査(44人)・1974)
近さが友人の選択に与える効果は、それまでの研究で好意の決め手とされてきた多くの特徴の効果より強かった。 著者は名字の順番を「控えめな」近さの指標だとしている(実際の近さより粗い測り方なので、効果を小さめに見積もる方向)。 - 弱い紐帯の強さ(理論・実証・1973)
新しい情報は、親しい相手よりも、たまに会う程度の相手から届くことが多かった。親しい相手同士は同じ情報源を共有しているため。
書誌情報
Rosenfeld, M. J., Thomas, R. J., & Hausen, S. (2019). Disintermediating your friends: How online dating in the United States displaces other ways of meeting. Proceedings of the National Academy of Sciences, 116(36), 17753–17758.