名字の五十音順で席が近い人ほど、友人に選ばれていた
現地調査(44人)・1974年・Journal of Personality and Social Psychology
この研究は何をしたか
州警察の訓練生44人で、物理的な近さと好意の関係を調べた。訓練所では名字のアルファベット順で席や部屋が決まるため、名字の順番での位置を、本人が意識しない近さの指標として使った。
何が分かったか
近さが友人の選択に与える効果は、それまでの研究で好意の決め手とされてきた多くの特徴の効果より強かった。 著者は名字の順番を「控えめな」近さの指標だとしている(実際の近さより粗い測り方なので、効果を小さめに見積もる方向)。
読むときの注意
対象は警察の訓練生44人で、恋愛ではなく友人関係。要旨で確認できた範囲で、効果の大きさの数値は書かれていない。
この研究が置かれている文脈
「近くにいる人を好きになる」を、本人が選べない配置(名字の順番)で確かめた研究です。自分で席を選んだのではないので、「もともと気が合うから近くに座った」という逆の説明を外せます。
この研究が根拠になっている悩み(2件)
- 愛着スタイルで、恋愛のしかたは決まるのか そこそこ
不安と回避という2つの連続した物差しで測るのが標準。タイプの箱ではない。 - いい出会いは、どこから来るのか そこそこ
出会いは個人の魅力だけでなく、人間関係の構造と経路の変化に左右される。
関係する理論
- 近接性(社会心理学 / 対人魅力の古典)
物理的な近さが、関係の形成をよく予測する。
同じ話題で参照している研究
- リスク調整モデル(レビュー・2006)
相手の好意への確信が高い人は、脅威になりうる出来事を関係の確認に使う。確信が低い人は、同じ出来事を愛情が弱まった証拠として解釈し、先に距離を取る。 - 情動の二要因理論(実験・1962)
同じ興奮でも、それをどう解釈するかで感じる情動が変わる。吊り橋実験はこの理論の応用として設計された。 - 相互依存理論(理論書・1959)
投資モデルの「満足度」と「代替の質」はここから直接引き継がれている。 - 恋愛への愛着理論の適用(実証研究・1987)
恋愛関係にも、安定・不安・回避に対応するパターンが観察されることを示した。以後の成人愛着研究の出発点。 - 近接性と友人形成(現地調査・1950)
物理的な近さ(同じ階、階段の近く)が、友人関係の形成をよく予測した。 - 愛着の4分類モデル(実証研究・1991)
回避には2種類ある。人を必要としない拒絶回避型と、近づきたいが怖い恐れ回避型は、行動は似ていても内側が違う。
書誌情報
Segal, M. W. (1974). Alphabet and attraction: An unobtrusive measure of the effect of propinquity in a field setting. Journal of Personality and Social Psychology, 30(5), 654–657.