恋愛への愛着理論の適用

実証研究・1987年・JPSP

この研究は何をしたか

乳幼児期の愛着理論を、成人の恋愛関係に適用できるかを検討した。

何が分かったか

恋愛関係にも、安定・不安・回避に対応するパターンが観察されることを示した。以後の成人愛着研究の出発点。

読むときの注意

当初の3分類は単純化されており、以後の研究では次元的な捉え方が主流になっている。

この研究が根拠になっている悩み(16件)

関係する理論

  • リスク調整モデル(社会心理学 / 対人関係研究(relationship science))
    人は誰かに近づくとき、「つながりたい」という接近の目標と「拒絶されて傷つきたくない」という自己防衛の目標を同時に走らせている。どちらが勝つかを決めるのは、「相手が自分をどう見ているか」の推定。ここが低く見積もられていると、認知・感情・行動の3つのif-thenルールがすべて防衛側に倒れる。
  • 成人の愛着(社会心理学 / 発達心理学の系譜)
    乳幼児期の愛着理論を成人の恋愛関係に適用した枠組み。近づきたい度合い(不安)と、距離を取りたい度合い(回避)の2軸で個人差を捉える。
  • 成人の愛着(発達心理学 / 対人関係研究への応用)
    近くにいる相手との関係で、人が「近づくこと」と「傷つかないこと」をどう調整するかの枠組み。現在は「見捨てられ不安」と「親密さの回避」という2つの連続した次元で測る。

同じ話題で参照している研究

  • リスク調整モデル(レビュー・2006)
    相手の好意への確信が高い人は、脅威になりうる出来事を関係の確認に使う。確信が低い人は、同じ出来事を愛情が弱まった証拠として解釈し、先に距離を取る。
  • 拒絶感受性(実験(4研究)・1996)
    拒絶感受性が高い人ほど、そっけない対応などの曖昧な行動に意図的な拒絶を読み取った。本人もパートナーも関係に不満を抱えやすい。
  • 拒絶感受性メタ分析(メタ分析・2023)
    拒絶感受性が高い人ほど、自己評価する魅力度が低く、嫉妬が強く、パートナーからの愛情表現を少なく知覚する傾向があった。
  • 相互依存理論(理論書・1959)
    投資モデルの「満足度」と「代替の質」はここから直接引き継がれている。
  • 認知-感情処理システム(理論・1995)
    拒絶感受性のような構成概念は、この枠組みの中に位置づけられる。「性格が弱い」ではなく、特定の状況で起動する処理の癖。
  • オンラインデーティングの検証(批判的レビュー・2012)
    出会いの数を増やす点は明確な利点。一方、事前のプロフィール情報から相性を予測できるという主張には、支持する証拠が乏しい。

書誌情報

Hazan, C., & Shaver, P. (1987). Romantic love conceptualized as an attachment process. Journal of Personality and Social Psychology, 52(3), 511–524.

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