失恋から回復しはじめる時点

日誌法(4週間)・2006年・PSPB

この研究は何をしたか

真剣な交際が終わったばかりの若年成人58名の感情を4週間毎日記録し、交際中の人の値を基準に、悲しみと怒りが「回復した」時点を生存分析で予測した。

何が分かったか

別れを受け入れていることが、愛着の安定と悲しみの回復の関連を媒介していた。相手への愛情・怒り・とらわれ型の愛着が強いほど、期間内に悲しみから回復する確率は低かった。

読むときの注意

58名・4週間の研究。「受け入れれば早く立ち直れる」という介入の効果を試した実験ではない。

この研究が根拠になっている悩み(3件)

同じ話題で参照している研究

  • 投資モデルの原典(実証研究・1980)
    関係を続ける力は、満足度だけでは決まらない。積み上げた投資と、他の選択肢の魅力の両方が効く。
  • 代替の切り下げ(実験・実証・1989)
    コミットメントが高いほど、代替となりうる相手を実際より低く評価した。関係を守る自動的な維持メカニズム。
  • 投資モデルのメタ分析(メタ分析・2003)
    満足度・投資量・代替の質はいずれもコミットメントと有意に関連し、合わせて分散のおよそ3分の2を説明した。もっとも強いのは満足度。
  • 離婚予測の交差検証問題(方法論批判・2001)
    交差検証を行うと、精度と予測的中率が大きく低下する。報告されていた80〜90%台は、結果を知った後の当てはめによる部分が大きい。
  • 相互依存理論(理論書・1959)
    投資モデルの「満足度」と「代替の質」はここから直接引き継がれている。
  • 恋愛への愛着理論の適用(実証研究・1987)
    恋愛関係にも、安定・不安・回避に対応するパターンが観察されることを示した。以後の成人愛着研究の出発点。

書誌情報

Sbarra, D. A. (2006). Predicting the onset of emotional recovery following nonmarital relationship dissolution: Survival analyses of sadness and anger. Personality and Social Psychology Bulletin, 32(3), 298–312.
恋愛の俗説を、心理学の原典まで遡って確かめています。
根拠の強さを書けない主張は、このサイトでは扱いません。