悩み 59

言葉づかいが揃うと、関係は続きやすいのか

「気が合う」を数値にした珍しい研究です。ただし真似られる部分ではありません。

結論から言うと

助詞や代名詞といった機能語の使い方がどれくらい揃っているかが、互いに好意を持つ割合や3か月後に関係が続いている割合と関連していました。

恋愛工学の答え

「相手のテンションや言葉に合わせろ。」

調子を合わせる運用です。ただし測られているのは、意識して合わせられない部分です。

研究の答え

機能語の使い方の一致度が、関係の始まりと継続と関連する。

スピードデーティングの会話記録と、カップルのメッセージのやりとりを解析した研究があります。見たのは、話の中身ではありません。助詞や代名詞といった機能語の使い方がどれくらい揃っているかです。

揃い方が大きいほど、互いに好意を持つ割合が高く、3か月後に関係が続いている割合も高くなっていました。

ここで大事なのは、測っているのが意識して選んでいない部分だということです。話題や趣味の一致ではありません。「が」と「は」の使い分け、指示語の出し方。自分でコントロールしている感覚がない領域です。

だから、これは技術として使えるものではありません。いまの状態を映す指標として読むのが正確です。

出典:Ireland, Slatcher, Eastwick, Scissors, Finkel & Pennebaker (2011)

研究の中身

Ireland, M. E., Slatcher, R. B., Eastwick, P. W., Scissors, L. E., Finkel, E. J., & Pennebaker, J. W. (2011). Language style matching predicts relationship initiation and stability. Psychological Science, 22(1), 39–44.
何をしたか
スピードデーティングの会話記録と、カップルのメッセージのやりとりから、機能語の使い方の一致度を測り、その後の結果と照らした。2つの研究から成る。
何が分かったか
一致度が高いほど、互いに好意を持つ割合が高く、3か月後に関係が続いている割合も高かった。
どのくらいの強さか
内容語ではなく機能語を見ている点が特徴。意識して選んでいない部分を測ろうとしている。

議論されている点

相関であり、揃えれば続くという意味ではありません。 もともと合う相手だから揃った、という読み方も同じだけ成り立ちます。

そして測っているのは意識して真似られる種類の言葉ではありません。技術として使うのではなく、いまの状態を映す指標として読むのが正確です。

使っている理論

  • 言葉づかいの同調(計算言語学 / 関係研究への応用)— 助詞や代名詞といった機能語の使い方がどれくらい揃っているかが、関係の始まりと続きやすさと関連する。
  • 類似性(社会心理学 / 対人魅力の古典)— 似ていることが魅力を高める。ただし関係の段階によって「実際の類似」と「感じられる類似」の効きが変わる。
  • カメレオン効果(社会心理学 / 非意識的な模倣)— 人は意識しないまま相手のしぐさや姿勢をまねており、まねられた側は相手を好ましく感じる。
恋愛の俗説を、心理学の原典まで遡って確かめています。
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