カメレオン効果
実験(3研究)・1999年・JPSP
この研究は何をしたか
初対面の相手と作業する場面で、相手のしぐさが自然にうつるかを観察し、さらに相手にまねさせた場合に好意がどう変わるかを調べた。
何が分かったか
人は意識しないまま相手のしぐさをまねていた。まねられた側は、相手をやや好ましく感じ、やりとりが滑らかだったと評価した。
読むときの注意
まねが起きること自体と、まねが好意を生むことは別の主張。後者の効果の大きさと条件は、この研究だけでは決まらない。
この研究が置かれている文脈
社会心理学でもっとも引用された研究のひとつで、ミラーリングという恋愛テクニックの学術的な後ろ盾として使われてきました。ただし引かれるのは原典がほとんどで、好意への効果の側について統合的な検証が確立していません。 現象の存在と、技術としての有効性を分けて読む必要があります。
この研究が根拠になっている悩み(2件)
- 相手をまねると、好かれるのか そこそこ
模倣は自然に起きる。模倣が好意を生むかは、条件も大きさも定まっていない。 - 言葉づかいが揃うと、関係は続きやすいのか そこそこ
機能語の使い方の一致度が、関係の始まりと継続と関連する。
関係する理論
- カメレオン効果(社会心理学 / 非意識的な模倣)
人は意識しないまま相手のしぐさや姿勢をまねており、まねられた側は相手を好ましく感じる。
同じ話題で参照している研究
- 類似性のメタ分析(メタ分析・2008)
実際の類似性 r = .47、知覚された類似性 r = .39。ただし実際の類似性は既存の関係では有意にならず、知覚された類似性は全段階で効いた。 - 短時間観察の予測力(メタ分析・1992)
30秒程度の観察でも、人柄や対人的な結果をかなりの精度で予測できた。観察時間を長くしても精度は劇的には上がらない。 - 類似性と魅力(研究書・1971)
類似性-魅力効果を、対人魅力研究の中心的な現象として確立した。 - 理想と実際のズレ(実証研究・2008)
事前に申告した理想は、実際の魅力の判断をほとんど予測しなかった。申告された性差は、実際の選択には現れにくい。 - オンラインデーティングの検証(批判的レビュー・2012)
出会いの数を増やす点は明確な利点。一方、事前のプロフィール情報から相性を予測できるという主張には、支持する証拠が乏しい。 - 言葉づかいの同調(実証研究(2研究)・2011)
言葉づかいの揃い方が大きいほど、互いに好意を持つ割合が高く、3か月後に関係が続いている割合も高かった。
書誌情報
Chartrand, T. L., & Bargh, J. A. (1999). The chameleon effect: The perception–behavior link and social interaction. Journal of Personality and Social Psychology, 76(6), 893–910.