悩み 29

打ち明けると好かれるのか

自分のことを打ち明けると、好かれるのか。

結論から言うと

好かれる。しかも3方向すべてで確認されている。打ち明けた人は好かれ、好きな相手には打ち明け、打ち明けたあとは相手をもっと好きになる。

恋愛工学の答え

「弱みを見せるな。価値が下がる。」

情報を出さない方向の運用です。

研究の答え

打ち明けることと好かれることの間に、3方向すべてで正の関連がある。開示する人は好かれ、好きな相手には開示し、開示した後は相手をより好きになる。

自己開示と好意の関係を扱った研究を統合したメタ分析があります。3つの方向に分けて検討されました。

**開示する人は好かれる。好きな相手には開示する。そして開示した後は相手をより好きになる。** 3方向すべてで正の関連が確認されています。

ただし条件があります。文脈に合わない過剰な開示は逆効果になりうる。効いているのは開示の量ではなく、その場に見合っているかどうかです。

「弱みを見せるな」は、この知見と正面から食い違います。

出典:Collins, N. L., & Miller, L. C. (1994), Psychological Bulletin, 116(3), 457–475

研究の中身

Collins, N. L., & Miller, L. C. (1994). Self-disclosure and liking: A meta-analytic review. Psychological Bulletin, 116(3), 457–475.
何をしたか
自己開示と好意の関係を、3つの方向(開示する人は好かれるか/好きな相手に開示するか/開示すると相手を好きになるか)に分けて統合した。
何が分かったか
3方向すべてで正の関連が確認された。
どのくらいの強さか
メタ分析。開示と好意の関係としては標準的な参照点になっている。

攻略

男性が読む場合

相手の内側で起きていること
打ち明けられた相手は、あなたをより好きになる方向に動く。3方向すべてで関連が確認されている。「弱みを見せるな」は、この知見と食い違う。
どう活かすか
出す量ではなく、その場に見合っているかで判断する。段階を飛ばした重い開示は逆効果になりうる。相互性が条件で、一方的に聞き出す形では成立しない。
使える場面
距離を縮めたいとき。自分の弱みを話すか迷ったとき。相手が壁を作っていると感じたとき。

女性が読む場合

相手の内側で起きていること
話してくれない相手に対して、関心がないと結論づける前に、開示のしやすさが条件で決まることを踏まえる。
どう活かすか
自分から先に、その場に見合った深さで開示する。返ってくるかどうかが、関係の状態を測る材料になる。
使える場面
相手が自分の話をしないとき。会話が表面的なまま進まないとき。
この機構自体に性差はほとんど報告されていません。違うのは置かれる状況と、社会的な台本のほうです。
「どう活かすか」「使える場面」はモデルから導かれる読み方であって、その手順の効果を検証した研究があるわけではありません。

議論されている点

適切さの条件があります。文脈に合わない過剰な開示は逆効果になりうると指摘されており、「量を出せば good」ではありません。

また相関が中心なので、開示が好意を生むのか、好意が開示を生むのかを完全には切り分けられません。3方向を分けて検討しているのはそのためです。

使っている理論

  • 自己開示と好意(社会心理学 / 親密性研究)— 打ち明けることと好かれることの間に、3方向すべてで正の関連がある。
  • 自己開示の相互性(社会心理学 / 親密性研究)— 段階的に深まる相互的な打ち明け合いが、親密さを高める。
恋愛の俗説を、心理学の原典まで遡って確かめています。
根拠の強さを書けない主張は、このサイトでは扱いません。