悩み 16
相手を知るほど好きになるのか
相手を知れば知るほど、好きになるものなのか。
結論から言うと
分かっていません。2007年に「知るほど好意が下がる」という結果が出ましたが、2025年に801人を対象にした事前登録の追試で再現されませんでした。上がるという予想も、同じ追試で支持されていません。
恋愛工学の答え
「自己開示を増やして距離を詰めろ。」
研究の答え
「知るほど好意が下がる」は、2025年の事前登録追試で再現されなかった。上がるという向きも支持されていない。
2007年のNortonらの研究は、情報が増えるほど似ていないところが見えて好意が下がる、という結果を報告しました。マッチングアプリで「会ったら冷めた」の説明としてよく引かれてきたものです。
2025年、Horshamらが801人を対象に、元の3つの実験(1a・1b・2)を事前登録の報告(Registered Report)として追試しました。分析方法を先に登録し、結果を見てから変えられない形式です。
結果は、参加者は「知るほど好きになるはず」と予想していたのに、実際の好意は知っている特徴の数と結びついていませんでした。論文は、相手についてより多く知ることは好意・類似性・好奇心の感じ方に影響しないかもしれない、と結んでいます。
「会う前に盛り上がり、会うと下がる」という経験の報告そのものは否定されていません。揺らいだのは、その理由として語られてきた説明のほうです。
出典:Norton, M. I., Frost, J. H., & Ariely, D. (2007), JPSP, 92(1), 97–105/Horsham, Z. et al. (2025), Royal Society Open Science, 12(4), 250441
参照している研究
- Norton, M. I., Frost, J. H., & Ariely, D. (2007). Less is more: The lure of ambiguity, or why familiarity breeds contempt. Journal of Personality and Social Psychology, 92(1), 97–105.
- Horsham, Z., Haydock-Symonds, A. N., Imada, H., Tai, H. C., Lau, W. L., Shum, T. L., Zeng, Y., Chow, H. T. K., & Feldman, G. (2025). Does learning more about others impact liking them? Replication and extension Registered Report of Norton et al.'s (2007) lure of ambiguity. Royal Society Open Science, 12(4), 250441.