実際に話した回数が多いほど、相手に惹かれた
実験(2本・実際の会話)・2011年・Journal of Personality and Social Psychology
この研究は何をしたか
初対面の同性2人に、実際に会話させる実験を2本行った。話す時間(回数)を条件ごとに変え、相手への好意を測った。「知るほど嫌いになる」とした Norton ら (2007) への反論として行われた。
何が分かったか
話した量が多いほど、相手に惹かれていた。これを媒介していたのは3つ:相手が応答してくれたという感覚、やりとりの心地よさと満足、相手を知ったという感覚。
読むときの注意
ペアは同性同士で、恋愛の場面ではない。初対面どうしの短期の実験。
この研究が置かれている文脈
図形を何度も見せる実験とは違い、生身の人との会話でも「慣れるほど好きになる」が出たことを示した研究です。ただし効いていたのは回数そのものより、その中で起きた応答と心地よさでした。
この研究が根拠になっている悩み(2件)
- 会う回数を増やせば好かれるのか 強い
単純接触効果はしっかりしている。ただし上限があり、増やし続けると頭打ちか下降に転じる。退屈しやすい人には出にくい。 - モテは一本の序列で決まるのか 弱い
人が惹かれる理由は複数あって、1本の順位にまとめる根拠はない。
関係する理論
- 単純接触効果(社会心理学と認知心理学の境界 / 感情研究)
繰り返し接触するだけで、対象への好意度が上がる。
同じ話題で参照している研究
- 単純接触効果の原典(実験・1968)
接触の反復それ自体が好意を生む。理由づけや報酬を必要としない。 - 単純接触のメタ分析(メタ分析・1989)
効果量 r = .26。研究全体で、提示時間が短いほど効果が大きかった。意識できないほど短い(閾下の)提示のほうが、はっきり認識できる提示より効果がかなり強かった(Bornstein ら, 1990 の要約による)。 - 情動の二要因理論(実験・1962)
同じ興奮でも、それをどう解釈するかで感じる情動が変わる。吊り橋実験はこの理論の応用として設計された。 - 類似性のメタ分析(メタ分析・2008)
実際の類似性 r = .47、知覚された類似性 r = .39。ただし実際の類似性は既存の関係では有意にならず、知覚された類似性は全段階で効いた。 - 近接性と友人形成(現地調査・1950)
物理的な近さ(同じ階、階段の近く)が、友人関係の形成をよく予測した。 - 類似性と魅力(研究書・1971)
類似性-魅力効果を、対人魅力研究の中心的な現象として確立した。
書誌情報
Reis, H. T., Maniaci, M. R., Caprariello, P. A., Eastwick, P. W., & Finkel, E. J. (2011). Familiarity does indeed promote attraction in live interaction. Journal of Personality and Social Psychology, 101(3), 557–570.