接触と好意の関係は、上がってから下がる逆U字だった
メタ分析(81論文・268曲線)・2017年・Psychological Bulletin
この研究は何をしたか
繰り返しの接触が、好意・親しみ・再認にどう効くかを、81論文から集めた268の曲線で推定し直したメタ分析。
何が分かったか
接触回数と好意の関係は、上がってから下がる逆U字だった。この形は視覚刺激では出たが、聴覚刺激では出なかった。提示時間が10秒未満と1分超のとき、評価をすべての提示の後に取ったときに出た。著者は「既存のモデルはこの結果を十分に説明できない」と書いている。
読むときの注意
要旨で確認できた範囲。好意が最大になる回数の具体的な値は、要旨には書かれていない。対象の多くは図形・顔写真・音などで、生身の相手ではない。
この研究が置かれている文脈
「会えば会うほど好かれる」ではなく、どこかに山があることを、約半世紀分の研究で確かめ直した結果です。
この研究が根拠になっている悩み(2件)
- 会う回数を増やせば好かれるのか 強い
単純接触効果はしっかりしている。ただし上限があり、増やし続けると頭打ちか下降に転じる。退屈しやすい人には出にくい。 - モテは一本の序列で決まるのか 弱い
人が惹かれる理由は複数あって、1本の順位にまとめる根拠はない。
関係する理論
- 単純接触効果(社会心理学と認知心理学の境界 / 感情研究)
繰り返し接触するだけで、対象への好意度が上がる。
同じ話題で参照している研究
- 単純接触効果の原典(実験・1968)
接触の反復それ自体が好意を生む。理由づけや報酬を必要としない。 - 単純接触のメタ分析(メタ分析・1989)
効果量 r = .26。研究全体で、提示時間が短いほど効果が大きかった。意識できないほど短い(閾下の)提示のほうが、はっきり認識できる提示より効果がかなり強かった(Bornstein ら, 1990 の要約による)。 - 情動の二要因理論(実験・1962)
同じ興奮でも、それをどう解釈するかで感じる情動が変わる。吊り橋実験はこの理論の応用として設計された。 - 類似性のメタ分析(メタ分析・2008)
実際の類似性 r = .47、知覚された類似性 r = .39。ただし実際の類似性は既存の関係では有意にならず、知覚された類似性は全段階で効いた。 - 近接性と友人形成(現地調査・1950)
物理的な近さ(同じ階、階段の近く)が、友人関係の形成をよく予測した。 - 類似性と魅力(研究書・1971)
類似性-魅力効果を、対人魅力研究の中心的な現象として確立した。
書誌情報
Montoya, R. M., Horton, R. S., Vevea, J. L., Citkowicz, M., & Lauber, E. A. (2017). A re-examination of the mere exposure effect: The influence of repeated exposure on recognition, familiarity, and liking. Psychological Bulletin, 143(5), 459–498.