元恋人のSNSを見る人ほど、未練が残っていた
調査(464人・横断)・2012年・Cyberpsychology, Behavior, and Social Networking
この研究は何をしたか
464人(女性84%、平均21.4歳、87%がアメリカ)に、苦しかった別れを1つ思い出してもらい、別れた相手のFacebookページと友達リストを見る頻度、友達のままか、実際に会っているかを聞いた。愛着・自尊心・別れ方・経過時間などをそろえて関連を見た。
何が分かったか
見る頻度が高い人ほど、いまの苦痛(.39)・未練(.47)・相手への欲求(.36)が強く、成長の実感が低かった(−.12)。 友達のままの人は、未練や否定感情がむしろ低く、成長の実感は低かった。実際に会っている人も苦痛・欲求・未練が高かった。
読むときの注意
1時点の自己申告で、因果の向きは決められない。著者自身が「未練がある人ほど見に行く」という逆向きも同じくらいあり得ると書いている。2012年のFacebookで、日本のSNSで同じかは不明。
この研究が置かれている文脈
「忘れられない」と「見てしまう」は、どちらが先かが決まっていません。見るのをやめれば楽になる、までは言えない研究です。
この研究が根拠になっている悩み(3件)
- 元恋人のSNSを見続けると、立ち直れないのか そこそこ
見る頻度が高い人ほど、苦しさ・未練・欲求が強く、成長の実感が低い。会う時間が多い人は2か月後の苦しさが高い。 - 復縁したあと、うまくいくのか そこそこ
戻った関係は平均して質が低く、回数で悪化する。分けているのは戻る理由と、満足度・代替の質。 - 元彼が忘れられないのは、なぜか そこそこ
忘れられなさは自己概念の明確さの低下として測られ、回復はその回復として測られている。
同じ話題で参照している研究
- 投資モデルの原典(実証研究・1980)
関係を続ける力は、満足度だけでは決まらない。積み上げた投資と、他の選択肢の魅力の両方が効く。 - 代替の切り下げ(実験・実証・1989)
コミットメントが高いほど、代替となりうる相手を実際より低く評価した。関係を守る自動的な維持メカニズム。 - 投資モデルのメタ分析(メタ分析・2003)
満足度・投資量・代替の質はいずれもコミットメントと有意に関連し、合わせて分散のおよそ3分の2を説明した。もっとも強いのは満足度。 - 離婚予測の交差検証問題(方法論批判・2001)
交差検証を行うと、精度と予測的中率が大きく低下する。報告されていた80〜90%台は、結果を知った後の当てはめによる部分が大きい。 - 相互依存理論(理論書・1959)
投資モデルの「満足度」と「代替の質」はここから直接引き継がれている。 - 認知-感情処理システム(理論・1995)
拒絶感受性のような構成概念は、この枠組みの中に位置づけられる。「性格が弱い」ではなく、特定の状況で起動する処理の癖。
書誌情報
Marshall, T. C. (2012). Facebook surveillance of former romantic partners: Associations with postbreakup recovery and personal growth. Cyberpsychology, Behavior, and Social Networking, 15(10), 521–526.