回避の高い人は、本当に抑えられていた
実験(2研究)・1997年・Journal of Personality and Social Psychology
この研究は何をしたか
参加者に「相手に去られること」を考えないように指示し、その考えの浮かびやすさと生理的な高ぶりを測った(要旨で確認)。
何が分かったか
回避の高い人(拒絶的・回避型)は、抑えようとすると見捨てられる考えの浮かびやすさが実際に下がり、生理的な高ぶりも下がった。 隠しているのではなく、実際に抑えが効いていた。
読むときの注意
示したのは「抑える力が働いている」ことで、「何も感じていない」「気持ちが無い」ことではない。実験室の課題。
この研究が置かれている文脈
黙っている時間の長さから、相手の気持ちの量は読み取れません。抑えが効いている人ほど、外に出る量は減るからです。
この研究が根拠になっている悩み(2件)
- 愛着スタイルで、恋愛のしかたは決まるのか そこそこ
不安と回避という2つの連続した物差しで測るのが標準。タイプの箱ではない。 - 不安型は治せるのか そこそこ
不安の目盛りは動く。動かすのは自分の目標を後押しされる経験で、速さは年単位。
同じ話題で参照している研究
- リスク調整モデル(レビュー・2006)
相手の好意への確信が高い人は、脅威になりうる出来事を関係の確認に使う。確信が低い人は、同じ出来事を愛情が弱まった証拠として解釈し、先に距離を取る。 - 相互依存理論(理論書・1959)
投資モデルの「満足度」と「代替の質」はここから直接引き継がれている。 - 恋愛への愛着理論の適用(実証研究・1987)
恋愛関係にも、安定・不安・回避に対応するパターンが観察されることを示した。以後の成人愛着研究の出発点。 - オンラインデーティングの検証(批判的レビュー・2012)
出会いの数を増やす点は明確な利点。一方、事前のプロフィール情報から相性を予測できるという主張には、支持する証拠が乏しい。 - 名字の五十音順で席が近い人ほど、友人に選ばれていた(現地調査(44人)・1974)
近さが友人の選択に与える効果は、それまでの研究で好意の決め手とされてきた多くの特徴の効果より強かった。 著者は名字の順番を「控えめな」近さの指標だとしている(実際の近さより粗い測り方なので、効果を小さめに見積もる方向)。 - 愛着の4分類モデル(実証研究・1991)
回避には2種類ある。人を必要としない拒絶回避型と、近づきたいが怖い恐れ回避型は、行動は似ていても内側が違う。
書誌情報
Fraley, R. C., & Shaver, P. R. (1997). Adult attachment and the suppression of unwanted thoughts. Journal of Personality and Social Psychology, 73(5), 1080–1091.