悩み 70

回避型は、幼少期に作られるのか

「回避型は、親との関係で作られる」とよく書かれます。

結論から言うと

生まれたときから18歳まで追った研究では、18歳の恋愛での回避は、幼いころの母親の関わり方ではほとんど予測できなかった(−.03)。結びついていたのは、その後の変化、とくに親友関係の変化だった。

恋愛工学の答え

「回避型は親のせい。幼少期に決まったものだから変わらない。」

回避の原因を親子関係に置き、「だから仕方ない」「だから治せない」と語られます。

研究の答え

幼いころの養育と大人の回避の関連は小さい。その後の友人関係や人づき合いの変化のほうが結びついていた。

アメリカで1991年に生まれた子どもたちを追った研究があります(Fraley ら 2013)。母親の関わり方を生後6か月から15歳までに9回観察し、18歳で最大707人が愛着の質問紙に答えました。

18歳の恋愛での回避は、幼いころの母親の関わり方の水準では、ほとんど予測できませんでした(単独で −.03)。生後15か月の愛着の検査の結果も、18歳の回避とは関連していません。

より強く結びついていたのはその後の変化です。母親の関わり方の変化(−.15)、親友との関係の変化(−.31)、人づき合いの力の変化(−.37)。著者は、大人の愛着の個人差が「主に」幼いころの養育で決まる、ということは決してない、と書いています。

出典:Fraley, R. C., Roisman, G. I., Booth-LaForce, C., Owen, M. T., & Holland, A. S. (2013). JPSP, 104(5), 817–838(本文を確認)

研究の中身

Fraley, R. C., Roisman, G. I., Booth-LaForce, C., Owen, M. T., & Holland, A. S. (2013). Interpersonal and genetic origins of adult attachment styles. Journal of Personality and Social Psychology, 104(5), 817–838.
何をしたか
アメリカの大規模な出生コホート(NICHD SECCYD)で、母親の関わり方・友人関係・人づき合いの力・気質・遺伝子を0〜15歳に繰り返し測り、18歳の愛着(最大707人)との関連を調べた。
何が分かったか
恋愛の回避は、幼いころの母親の関わり方の水準でほぼ予測できず(−.03)。その後の変化(関わり方 −.15、親友関係 −.31、人づき合いの力 −.37)と結びついた。気質と遺伝子はほぼ無関係。
どのくらいの強さか
調べた要因すべてを合わせても、全般的な回避の個人差の最大29%。著者は関連を「絶対値では比較的小さい」と表現。

議論されている点

観察研究で、友人関係がよくなったから回避が下がったのか、回避が低い人が友人関係を築けたのか、向きは決まりません。追跡できた人は母親の学歴が高めに偏っていました。

使っている理論

  • 成人の愛着(発達心理学 / 対人関係研究への応用)— 近くにいる相手との関係で、人が「近づくこと」と「傷つかないこと」をどう調整するかの枠組み。現在は「見捨てられ不安」と「親密さの回避」という2つの連続した次元で測る。

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