回避型は、男性に多いのか
「回避型男子」という言い方は、よく見かけます。
112の標本・約6万5千人をまとめると、回避の男女差は全体で .02。集め方によって男性がやや高い標本もあるが、差は小さく、向きが逆の標本もある。相手の性別から、回避の高さは読めない。
恋愛工学の答え
「回避型男子」「男性は回避的」という前提で、男女別の攻略法が語られます。
研究の答え
愛着の男女差を、112の標本・約6万5千人でまとめた分析があります(Del Giudice 2011)。比べたのは質問紙の点数で、脳ではありません。
回避の男女差は全体で .02でした。標本の集め方で分けると、地域で集めた人 .14、大学生 .08、ネットで集めた人 −.06。心理学では .2 を「小さい」の目安にするので、どの集め方でも小さい差です。
地域別では東アジアが .25 でしたが、4つの標本しかありません。日本の標本は大学生の1つだけで、男性のほうがわずかに低い値でした。年齢が上がるほど男性側への偏りが少し大きくなる傾向も報告されています。
研究の中身
議論されている点
著者は要旨で「男性のほうが回避が高い」とまとめています。 全体の .02 にはネットの大きな標本が多く含まれるため、どの数字を代表とみるかで印象が変わります。ただ、どの読み方でも差は小さいことは変わりません。
差の原因として著者は進化の理論を論じていますが、このデータで確かめたものではありません。
使っている理論
- 成人の愛着(発達心理学 / 対人関係研究への応用)— 近くにいる相手との関係で、人が「近づくこと」と「傷つかないこと」をどう調整するかの枠組み。現在は「見捨てられ不安」と「親密さの回避」という2つの連続した次元で測る。
参照している研究
- Hazan, C., & Shaver, P. (1987). Romantic love conceptualized as an attachment process. Journal of Personality and Social Psychology, 52(3), 511–524.
- Bartholomew, K., & Horowitz, L. M. (1991). Attachment styles among young adults: A test of a four-category model. Journal of Personality and Social Psychology, 61(2), 226–244.
- Del Giudice, M. (2011). Sex differences in romantic attachment: A meta-analysis. Personality and Social Psychology Bulletin, 37(2), 193–214.