悩み 69

回避型は、男性に多いのか

「回避型男子」という言い方は、よく見かけます。

結論から言うと

112の標本・約6万5千人をまとめると、回避の男女差は全体で .02。集め方によって男性がやや高い標本もあるが、差は小さく、向きが逆の標本もある。相手の性別から、回避の高さは読めない。

恋愛工学の答え

「回避型は男に多い。男はそういう生き物だと思って付き合え。」

「回避型男子」「男性は回避的」という前提で、男女別の攻略法が語られます。

研究の答え

回避の男女差は全体でほぼゼロ(.02)。地域で集めた人では男性がやや高い(.14)が、ネットで集めた人では逆向き(−.06)。

愛着の男女差を、112の標本・約6万5千人でまとめた分析があります(Del Giudice 2011)。比べたのは質問紙の点数で、脳ではありません。

回避の男女差は全体で .02でした。標本の集め方で分けると、地域で集めた人 .14、大学生 .08、ネットで集めた人 −.06。心理学では .2 を「小さい」の目安にするので、どの集め方でも小さい差です。

地域別では東アジアが .25 でしたが、4つの標本しかありません。日本の標本は大学生の1つだけで、男性のほうがわずかに低い値でした。年齢が上がるほど男性側への偏りが少し大きくなる傾向も報告されています。

出典:Del Giudice, M. (2011). Sex differences in romantic attachment: A meta-analysis. PSPB, 37(2), 193–214(本文を確認)

研究の中身

Del Giudice, M. (2011). Sex differences in romantic attachment: A meta-analysis. Personality and Social Psychology Bulletin, 37(2), 193–214.
何をしたか
恋愛の愛着の質問紙(主にECR)の点数の男女差を、100の研究・112の標本・約6万5千人について統合した。標本の集め方(地域・大学生・ネット)と地域ごとに比べた。
何が分かったか
回避の男女差は全体で .02(95%CI −.01〜.05)。地域で集めた人 .14、大学生 .08、ネット −.06。東アジア .25(4標本)。年齢とともに男性側への偏りが大きくなる。
どのくらいの強さか
どの集め方でも「小さい」の目安(.2)より小さい。分布は大部分が重なる。

議論されている点

著者は要旨で「男性のほうが回避が高い」とまとめています。 全体の .02 にはネットの大きな標本が多く含まれるため、どの数字を代表とみるかで印象が変わります。ただ、どの読み方でも差は小さいことは変わりません。

差の原因として著者は進化の理論を論じていますが、このデータで確かめたものではありません。

使っている理論

  • 成人の愛着(発達心理学 / 対人関係研究への応用)— 近くにいる相手との関係で、人が「近づくこと」と「傷つかないこと」をどう調整するかの枠組み。現在は「見捨てられ不安」と「親密さの回避」という2つの連続した次元で測る。

次に読むなら

回避型の彼について言われる助言を、原典まで遡って全部確かめた記事があります。このサイトと同じ4段階で判定しています。無料部分に、結論の表と、判定の4段階と、探し方の手順を全部出しています。振り向かせる方法は書いていません。

回避型の彼への助言を、原典まで全部検証した(note・1,980円・返金申請可)

新しい検証は note で出しています。note.com/koinokyori

恋愛の俗説を、心理学の原典まで遡って確かめています。
根拠の強さを書けない主張は、このサイトでは扱いません。