悩み 73

不安型は、親との関係で作られるのか

「不安型は、親との関係で作られる」とよく書かれます。

結論から言うと

生まれたときから18歳まで追った研究で、幼いころの母親の関わり方は、18歳の不安の目盛りと関連しなかった。関連が残ったのは、母親の抑うつの増加と、人づき合いの力の伸び。どれも小さい。

恋愛工学の答え

「不安型は親の愛情不足のせい。幼少期に決まる。」

不安の原因を親子関係に置き、「だから治らない」と語られることがあります。

研究の答え

母親の関わり方そのものは関連しなかった。親に関わる要因との小さな関連はあった。

アメリカで1991年に生まれた子どもたちを追った研究です(Fraley ら 2013)。母親の関わり方を生後6か月から15歳までに9回観察し、18歳で最大707人が愛着の質問紙に答えました。

幼いころの母親の関わり方は、18歳の不安と関連しませんでした。 その後の変化とも関連していません。

関連が残ったのは、母親の抑うつが年とともに強くなったこと(.12〜.20)と、人づき合いの力が伸びたこと(−.12〜−.19)でした。1歳3か月の愛着の検査で安定していた子は、18歳の不安がわずかに低め(−.09)。どれも小さな関連で、環境の要因をまとめても説明できたのは13%ほどでした。

出典:Fraley, R. C., Roisman, G. I., Booth-LaForce, C., Owen, M. T., & Holland, A. S. (2013). JPSP, 104(5), 817–838(本文を確認)

研究の中身

Fraley, R. C., Roisman, G. I., Booth-LaForce, C., Owen, M. T., & Holland, A. S. (2013). Interpersonal and genetic origins of adult attachment styles. Journal of Personality and Social Psychology, 104(5), 817–838.
何をしたか
アメリカの大規模な出生コホート(NICHD SECCYD)で、母親の関わり方・母親の抑うつ・友人関係・人づき合いの力・気質・遺伝子を0〜15歳に繰り返し測り、18歳の愛着(最大707人)との関連を調べた。
何が分かったか
18歳の不安は、母親の関わり方(水準・変化)と関連しなかった。母親の抑うつの増加(.12〜.20)と人づき合いの力の伸び(−.12〜−.19)とは小さく関連。1歳3か月の愛着の検査の安定は −.09。
どのくらいの強さか
環境の要因と基本属性をまとめても、不安の個人差の13%ほど。気質と遺伝子は別に調べ、ほとんど説明しなかった。

議論されている点

著者は、不安には「先行する要因が比較的少なかった」と書いています。回避のほうは親友関係や母親の関わり方の変化とも結びついており、不安と回避では結びつくものが違っていました。 観察研究で、因果の向きは決まりません。

使っている理論

  • 成人の愛着(発達心理学 / 対人関係研究への応用)— 近くにいる相手との関係で、人が「近づくこと」と「傷つかないこと」をどう調整するかの枠組み。現在は「見捨てられ不安」と「親密さの回避」という2つの連続した次元で測る。

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