悩み 74

安心させてもらえば、不安は落ち着くのか

「不安型には、安心させてくれる相手が必要」とよく書かれます。

結論から言うと

カップルを1年おきに追った研究で、信頼できると感じる人ほど同じ時点の不安が低めだった。1年後の不安の低下と結びついたのは、「目標を応援されている」感覚のほう。どちらも小さな関連。

恋愛工学の答え

「不安型は、安心させてくれる人と付き合えば治る。」

「安定型の相手」「安心をくれる相手」が、不安の解決策として語られます。

研究の答え

安心の感覚は「いま」の不安と、応援の感覚は「その後」の低下と結びついていた。

真剣に交際しているカップルを、1年おきに3回調べた研究です(Arriaga ら 2014)。

相手を信頼できると感じている人ほど、同じ時点の不安が平均して低めでした(−.12)。2つを同時に入れて1年後の変化を見ると、低下と結びついていたのは「相手が自分の目標を応援してくれている」感覚でした(−.14)。信頼は、単独なら1年後の低下とも関連していましたが(−.11)、応援と一緒に入れると残りませんでした。

初めて親になる137組を2年追った研究でも、安心させてもらえる感覚は同じ時点の不安とだけ関連し、半年後の低下と結びついたのは子育てで「自分はやれる」と感じる感覚でした(Arriaga ら 2021)。

出典:Arriaga, X. B., et al. (2014). SPPS, 5(4), 398–406(掲載前原稿で本文を確認)/Arriaga, X. B., et al. (2021). SPPS, 12(5), 658–666(投稿前原稿で本文を確認)

研究の中身

Arriaga, X. B., Kumashiro, M., Finkel, E. J., VanderDrift, L. E., & Luchies, L. B. (2014). Filling the void: Bolstering attachment security in committed relationships. Social Psychological and Personality Science, 5(4), 398–406.
何をしたか
真剣に交際中のカップルを1年おきに3回調査。愛着不安、相手への信頼の感覚、「相手が自分の目標を応援してくれている」という感覚を測った。
何が分かったか
信頼の感覚は同じ時点の不安の低さと関連(−.12)。2つを同時に入れると、1年後の不安の低下を予測したのは応援の感覚(−.14)で、信頼は −.04(有意でない。単独なら −.11)。
どのくらいの強さか
小さい。1年後の不安は前年の不安と強く結びつく(.71)。参加者の不安はもともと低め。

議論されている点

測ったのは本人の受け止めで、相手の実際の行動ではありません。同じグループの初めて親になる137組の研究(Arriaga ら 2021)でも、安心させてもらえる感覚は同時点の不安とだけ関連し、半年後の低下は子育ての自己効力感と結びついていました(b = −0.09, p = .043)。

使っている理論

  • 成人の愛着(発達心理学 / 対人関係研究への応用)— 近くにいる相手との関係で、人が「近づくこと」と「傷つかないこと」をどう調整するかの枠組み。現在は「見捨てられ不安」と「親密さの回避」という2つの連続した次元で測る。

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