安心させてもらえば、不安は落ち着くのか
「不安型には、安心させてくれる相手が必要」とよく書かれます。
カップルを1年おきに追った研究で、信頼できると感じる人ほど同じ時点の不安が低めだった。1年後の不安の低下と結びついたのは、「目標を応援されている」感覚のほう。どちらも小さな関連。
恋愛工学の答え
「安定型の相手」「安心をくれる相手」が、不安の解決策として語られます。
研究の答え
真剣に交際しているカップルを、1年おきに3回調べた研究です(Arriaga ら 2014)。
相手を信頼できると感じている人ほど、同じ時点の不安が平均して低めでした(−.12)。2つを同時に入れて1年後の変化を見ると、低下と結びついていたのは「相手が自分の目標を応援してくれている」感覚でした(−.14)。信頼は、単独なら1年後の低下とも関連していましたが(−.11)、応援と一緒に入れると残りませんでした。
初めて親になる137組を2年追った研究でも、安心させてもらえる感覚は同じ時点の不安とだけ関連し、半年後の低下と結びついたのは子育てで「自分はやれる」と感じる感覚でした(Arriaga ら 2021)。
研究の中身
議論されている点
測ったのは本人の受け止めで、相手の実際の行動ではありません。同じグループの初めて親になる137組の研究(Arriaga ら 2021)でも、安心させてもらえる感覚は同時点の不安とだけ関連し、半年後の低下は子育ての自己効力感と結びついていました(b = −0.09, p = .043)。
使っている理論
- 成人の愛着(発達心理学 / 対人関係研究への応用)— 近くにいる相手との関係で、人が「近づくこと」と「傷つかないこと」をどう調整するかの枠組み。現在は「見捨てられ不安」と「親密さの回避」という2つの連続した次元で測る。
参照している研究
- Hazan, C., & Shaver, P. (1987). Romantic love conceptualized as an attachment process. Journal of Personality and Social Psychology, 52(3), 511–524.
- Finkel, E. J., Eastwick, P. W., Karney, B. R., Reis, H. T., & Sprecher, S. (2012). Online dating: A critical analysis from the perspective of psychological science. Psychological Science in the Public Interest, 13(1), 3–66.
- Bartholomew, K., & Horowitz, L. M. (1991). Attachment styles among young adults: A test of a four-category model. Journal of Personality and Social Psychology, 61(2), 226–244.
- Arriaga, X. B., Kumashiro, M., Finkel, E. J., VanderDrift, L. E., & Luchies, L. B. (2014). Filling the void: Bolstering attachment security in committed relationships. Social Psychological and Personality Science, 5(4), 398–406.