何が不安と回避の目盛りを下げるか

カップルの縦断研究・2014年・SPPS

この研究は何をしたか

交際中の134組のカップルを追い、相手への信頼(頼れる・そばにいると感じるか)と、相手が自分の目標を後押ししていると感じるかが、愛着の不安・回避とどう関連するかを、同時点と時間経過の両方で調べた。

何が分かったか

同時点では、信頼が不安の低さと、目標の後押しが回避の低さと関連した。時間を追うと逆で、信頼が回避の低下を、目標の後押しの知覚が不安の低下を予測した。

読むときの注意

カップルの自己報告による観察研究。目標を後押しする介入の効果を試した実験ではない。

この研究が根拠になっている悩み(1件)

  • 不安型は治せるのか そこそこ
    不安の目盛りは動く。動かすのは自分の目標を後押しされる経験で、速さは年単位。

同じ話題で参照している研究

  • 恋愛への愛着理論の適用(実証研究・1987)
    恋愛関係にも、安定・不安・回避に対応するパターンが観察されることを示した。以後の成人愛着研究の出発点。
  • オンラインデーティングの検証(批判的レビュー・2012)
    出会いの数を増やす点は明確な利点。一方、事前のプロフィール情報から相性を予測できるという主張には、支持する証拠が乏しい。
  • 愛着の4分類モデル(実証研究・1991)
    回避には2種類ある。人を必要としない拒絶回避型と、近づきたいが怖い恐れ回避型は、行動は似ていても内側が違う。
  • 適応行動(実証研究・1991)
    仕返しの衝動を抑えて建設的に応じる傾向が高いほど、関係の質が高かった。コミットメントが高い人ほどこの行動を取りやすい。
  • ミケランジェロ現象(実証研究・1999)
    相手の理想の自己を肯定するように扱われた人は、実際にその方向へ変化し、関係の質も高かった。相手を彫り出す、という比喩からミケランジェロ現象と呼ばれる。
  • 成人愛着はどこまで変わるか(長期追跡(2標本)・2011)
    観測されたのは、変動の下に安定した因子があるプロトタイプ型のパターンだった。日々は揺れるが、戻っていく基準点がある。

書誌情報

Arriaga, X. B., Kumashiro, M., Finkel, E. J., VanderDrift, L. E., & Luchies, L. B. (2014). Filling the void: Bolstering attachment security in committed relationships. Social Psychological and Personality Science, 5(4), 398–406.
恋愛の俗説を、心理学の原典まで遡って確かめています。
根拠の強さを書けない主張は、このサイトでは扱いません。