認知的不協和
Cognitive Dissonance · 社会心理学 / 認知的一貫性理論
何を言っている理論か
自分の行動と考えが食い違うと不快になり、つじつまを合わせる方向に考えのほうが動く。恋愛の文脈でよく引かれるのは「努力の正当化」——手に入れるのに苦労したものを高く評価する働き。
心理学のどこにあるか
1950〜60年代の社会心理学の中心的なパラダイムだった「一貫性理論」群のひとつ。人は自分の中の矛盾を減らす方向に動く、という発想を共有する理論が当時いくつも提出され、その中で最も影響を残したのが不協和理論。恋愛に固有の理論ではなく、態度変容の一般理論です。
研究の性質と注意
理論も実験も本物。問題は、恋愛での「意図的に冷たくする」という応用が、元の実験の条件とまったく対応していないこと。
この理論の主要な研究(2本)
- 通過儀礼と集団評価(実験・1959)
重い通過儀礼を経た条件の参加者が、同じ討論をもっとも高く評価した。払ったコストに合わせて評価が動く。
Aronson, E., & Mills, J. (1959). The effect of severity of initiation on liking for a group. Journal of Abnormal and Social Psychology, 59(2), 177–181. - 認知的不協和理論(理論書・1957)
社会心理学の基礎理論のひとつ。恋愛に固有の理論ではなく、態度変容の一般理論。
Festinger, L. (1957). A Theory of Cognitive Dissonance. Stanford University Press.
この理論を使っている悩み(3件)
- 押して引くと、相手は好きになるのか 根拠なし
理論は本物。だが「わざと冷たくする→好意が増す」への適用は実証されていない。 - 頼み事をすると、好かれるのか そこそこ
人に何かをしてあげた側のほうが、相手への好意が上がる場合がある。 - 小さなお願いから始めると、大きな頼みが通るのか そこそこ
先の小さな承諾が、あとの大きな承諾の確率を上げる。ただし効果は小さい。