治療で下がった不安は続くか
治療後2年の追跡・2017年・JMFT
この研究は何をしたか
同じ32組を治療前から治療後24か月まで追い、満足度・安全基地としての行動・関係への愛着の不安の経過をモデル化した。
何が分かったか
満足度と安全基地行動は上がり、関係への不安は下がり、その変化は減速しながら追跡期間中も続いていた。
読むときの注意
比較群のない追跡。変化の速さは年単位で、短期の効果を示すものではない。
この研究が根拠になっている悩み(1件)
- 不安型は治せるのか そこそこ
不安の目盛りは動く。動かすのは自分の目標を後押しされる経験で、速さは年単位。
同じ話題で参照している研究
- 恋愛への愛着理論の適用(実証研究・1987)
恋愛関係にも、安定・不安・回避に対応するパターンが観察されることを示した。以後の成人愛着研究の出発点。 - オンラインデーティングの検証(批判的レビュー・2012)
出会いの数を増やす点は明確な利点。一方、事前のプロフィール情報から相性を予測できるという主張には、支持する証拠が乏しい。 - 愛着の4分類モデル(実証研究・1991)
回避には2種類ある。人を必要としない拒絶回避型と、近づきたいが怖い恐れ回避型は、行動は似ていても内側が違う。 - 適応行動(実証研究・1991)
仕返しの衝動を抑えて建設的に応じる傾向が高いほど、関係の質が高かった。コミットメントが高い人ほどこの行動を取りやすい。 - ミケランジェロ現象(実証研究・1999)
相手の理想の自己を肯定するように扱われた人は、実際にその方向へ変化し、関係の質も高かった。相手を彫り出す、という比喩からミケランジェロ現象と呼ばれる。 - 成人愛着はどこまで変わるか(長期追跡(2標本)・2011)
観測されたのは、変動の下に安定した因子があるプロトタイプ型のパターンだった。日々は揺れるが、戻っていく基準点がある。
書誌情報
Wiebe, S. A., Johnson, S. M., Lafontaine, M.-F., Burgess Moser, M., Dalgleish, T. L., & Tasca, G. A. (2017). Two-year follow-up outcomes in emotionally focused couple therapy: An investigation of relationship satisfaction and attachment trajectories. Journal of Marital and Family Therapy, 43(2), 227–244.