ミケランジェロ現象
実証研究・1999年・JPSP
この研究は何をしたか
パートナーが「その人がなりたい自分」に近づく方向で扱うと、実際にその方向に変化するかを調べた。
何が分かったか
相手の理想の自己を肯定するように扱われた人は、実際にその方向へ変化し、関係の質も高かった。相手を彫り出す、という比喩からミケランジェロ現象と呼ばれる。
読むときの注意
「自分が望む方向に変えること」ではない。効いているのは相手自身がなりたい方向を支持したときだけ、という条件がつく。
この研究が根拠になっている悩み(2件)
- 相手を変えようとするのはダメか そこそこ
パートナーが「その人がなりたい自分」に近づく方向で扱うと、実際にその方向へ変化する。ただし効くのは相手自身が望む方向のときだけ。 - 不安型は治せるのか そこそこ
不安の目盛りは動く。動かすのは自分の目標を後押しされる経験で、速さは年単位。
関係する理論
- ミケランジェロ現象(社会心理学 / 関係と自己変容)
パートナーが「その人がなりたい自分」に近づく方向で扱うと、実際にその方向へ変化する。
同じ話題で参照している研究
- 恋愛への愛着理論の適用(実証研究・1987)
恋愛関係にも、安定・不安・回避に対応するパターンが観察されることを示した。以後の成人愛着研究の出発点。 - オンラインデーティングの検証(批判的レビュー・2012)
出会いの数を増やす点は明確な利点。一方、事前のプロフィール情報から相性を予測できるという主張には、支持する証拠が乏しい。 - 愛着の4分類モデル(実証研究・1991)
回避には2種類ある。人を必要としない拒絶回避型と、近づきたいが怖い恐れ回避型は、行動は似ていても内側が違う。 - 適応行動(実証研究・1991)
仕返しの衝動を抑えて建設的に応じる傾向が高いほど、関係の質が高かった。コミットメントが高い人ほどこの行動を取りやすい。 - 成人愛着はどこまで変わるか(長期追跡(2標本)・2011)
観測されたのは、変動の下に安定した因子があるプロトタイプ型のパターンだった。日々は揺れるが、戻っていく基準点がある。 - 愛着の目盛りは年齢でどう動くか(長期追跡(3標本の統合)・2019)
不安は平均して年齢とともに下がり、とくに中年期以降で大きく下がった。回避は生涯を通じて直線的に下がった。交際している状態は、不安と回避の両方が低いことを予測した。
書誌情報
Drigotas, S. M., Rusbult, C. E., Wieselquist, J., & Whitton, S. W. (1999). Close partner as sculptor of the ideal self: Behavioral affirmation and the Michelangelo phenomenon. Journal of Personality and Social Psychology, 77(2), 293–323.