別れると自分の輪郭がぼやける

3研究(横断+縦断)・2010年・PSPB

この研究は何をしたか

別れたあとに自己概念の中身と構造(自己概念の明確さ)がどう変わるかを、方法の異なる3つの研究で調べ、苦痛との関連を見た。

何が分かったか

別れたあと、自己概念の中身が変わり、明確さが下がっていた。明確さの低下は、他の要因とは別に、別れの苦痛を予測した。

読むときの注意

苦痛が輪郭をぼやけさせる向きも排除されていない。関係に自分をどれだけ重ねていたかで、変化の大きさは違う。

この研究が根拠になっている悩み(1件)

同じ話題で参照している研究

  • 離婚予測の交差検証問題(方法論批判・2001)
    交差検証を行うと、精度と予測的中率が大きく低下する。報告されていた80〜90%台は、結果を知った後の当てはめによる部分が大きい。
  • オンラインデーティングの検証(批判的レビュー・2012)
    出会いの数を増やす点は明確な利点。一方、事前のプロフィール情報から相性を予測できるという主張には、支持する証拠が乏しい。
  • 新奇な活動と関係の質(実験+現地調査・2000)
    目新しく刺激的な活動を共有した条件で、関係の質の評価が上がった。単に楽しい活動では同じ効果は出なかった。
  • 別れの予測因のメタ分析(メタ分析・2010)
    もっとも強く予測したのはコミットメント・愛情・関係への適応といった内側の変数。人口統計的な属性の予測力は弱かった。
  • 別れたあとの感情の経過と、元相手との接触(日誌法(28日)・2005)
    愛情は直線的に減り、悲しみ・怒り・安堵は曲線的に変化した。元の相手と接触があると、愛情と悲しみの減り方が遅くなった。愛着スタイルと別れの衝撃が、出発点と変化の速さを予測した。
  • 元相手のSNSを見に行くことと回復(質問紙研究・2012)
    見に行くことは、別れの苦痛・否定的な感情・性的欲求・相手への渇望の強さ、そして成長の低さと関連していた。つながりを残している人は否定的な感情や渇望が少なかったが、成長は低かった。

書誌情報

Slotter, E. B., Gardner, W. L., & Finkel, E. J. (2010). Who am I without you? The influence of romantic breakup on the self-concept. Personality and Social Psychology Bulletin, 36(2), 147–160.
恋愛の俗説を、心理学の原典まで遡って確かめています。
根拠の強さを書けない主張は、このサイトでは扱いません。