別れた相手と会う時間が多い人は、2か月後に苦しかった

縦断(122人・録音による行動測定)・2020年・Clinical Psychological Science

この研究は何をしたか

離婚・別居から平均3.8か月の122人(男35・女87、平均43.8歳)に週末に録音機を持ってもらい、別れた相手と一緒にいた時間を音声から数えた。5か月で3回。本人の申告ではない。

何が分かったか

同じ時点では、会う時間と苦痛の関連は確認されなかった。会う時間が多かった人は、2か月後の苦痛が高かった(b = 123.15、95%CI 59.74〜186.57)。この効果は相手との間に子どもがいない人だけに出た。子どもがいない人では、会う時間が1SD多いと、2か月で自然に下がる苦痛の量の112%分を打ち消す大きさ。

読むときの注意

122人と少なく、週末だけの記録。観察研究で、会う時間を変えた実験ではない。結婚していた人が対象で、恋人の別れとは状況が違う。

この研究が置かれている文脈

会う時間が先で、苦しさが後。時間差があるぶんSNSの研究より一歩強いが、それでも観察で、因果の証明ではありません。

この研究が根拠になっている悩み(1件)

同じ話題で参照している研究

  • 投資モデルのメタ分析(メタ分析・2003)
    満足度・投資量・代替の質はいずれもコミットメントと有意に関連し、合わせて分散のおよそ3分の2を説明した。もっとも強いのは満足度。
  • 認知-感情処理システム(理論・1995)
    拒絶感受性のような構成概念は、この枠組みの中に位置づけられる。「性格が弱い」ではなく、特定の状況で起動する処理の癖。
  • 別れの予測因のメタ分析(メタ分析・2010)
    もっとも強く予測したのはコミットメント・愛情・関係への適応といった内側の変数。人口統計的な属性の予測力は弱かった。
  • 失恋から回復しはじめる時点(日誌法(4週間)・2006)
    別れを受け入れていることが、愛着の安定と悲しみの回復の関連を媒介していた。相手への愛情・怒り・とらわれ型の愛着が強いほど、期間内に悲しみから回復する確率は低かった。
  • 拒絶と痛みの脳活動(脳画像実験・2003)
    体の痛みに関わるとされる領域と重なる活動が見られた。つらさの報告が強い人ほど、その活動も強かった。
  • 失恋と体の痛みの重なり(脳画像実験・2011)
    体の感覚に関わる領域に、両方で重なる活動が見られた。先行研究より感覚寄りの領域まで重なっていた。

書誌情報

O'Hara, K. L., Grinberg, A. M., Tackman, A. M., Mehl, M. R., & Sbarra, D. A. (2020). Contact with an ex-partner is associated with psychological distress after marital separation. Clinical Psychological Science, 8(3), 450–463.

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