自分を広げていなかった関係の終わり
質問紙研究・2007年・J Positive Psychology
この研究は何をしたか
別れて半年以内の大学生155名に、終わった関係が自分をどれだけ広げていたか、自分を取り戻した感覚・失った感覚、成長と前向きな感情を尋ねた。
何が分かったか
自分を広げる度合いが低かった関係の終わりほど、成長が大きかった。この関連は、自分を取り戻す感覚が強く、自分を失った感覚が少なく、前向きな感情が多いことによって媒介されていた。
読むときの注意
横断的な自己報告。「関係の質が低ければ別れたほうがよい」という助言の根拠ではなく、別れのあとの経験が関係の性質によって違うことを示した研究。
この研究が根拠になっている悩み(1件)
- 元彼が忘れられないのは、なぜか そこそこ
忘れられなさは自己概念の明確さの低下として測られ、回復はその回復として測られている。
同じ話題で参照している研究
- 離婚予測の交差検証問題(方法論批判・2001)
交差検証を行うと、精度と予測的中率が大きく低下する。報告されていた80〜90%台は、結果を知った後の当てはめによる部分が大きい。 - オンラインデーティングの検証(批判的レビュー・2012)
出会いの数を増やす点は明確な利点。一方、事前のプロフィール情報から相性を予測できるという主張には、支持する証拠が乏しい。 - 新奇な活動と関係の質(実験+現地調査・2000)
目新しく刺激的な活動を共有した条件で、関係の質の評価が上がった。単に楽しい活動では同じ効果は出なかった。 - 別れの予測因のメタ分析(メタ分析・2010)
もっとも強く予測したのはコミットメント・愛情・関係への適応といった内側の変数。人口統計的な属性の予測力は弱かった。 - 別れたあとの感情の経過と、元相手との接触(日誌法(28日)・2005)
愛情は直線的に減り、悲しみ・怒り・安堵は曲線的に変化した。元の相手と接触があると、愛情と悲しみの減り方が遅くなった。愛着スタイルと別れの衝撃が、出発点と変化の速さを予測した。 - 元相手のSNSを見に行くことと回復(質問紙研究・2012)
見に行くことは、別れの苦痛・否定的な感情・性的欲求・相手への渇望の強さ、そして成長の低さと関連していた。つながりを残している人は否定的な感情や渇望が少なかったが、成長は低かった。
書誌情報
Lewandowski, G. W., Jr., & Bizzoco, N. M. (2007). Addition through subtraction: Growth following the dissolution of a low quality relationship. The Journal of Positive Psychology, 2(1), 40–54.