別れを繰り返し言葉にすると、輪郭が戻る
割付比較(9週間)・2015年・SPPS
この研究は何をしたか
別れてまもない若い成人210名を、9週間に4回の詳しい測定を受ける群(120名)と、最初と最後だけの群(90名)に割り付け、回復の経過を比べた。
何が分かったか
測定を繰り返した群では自己概念の乱れが大きく減った。自己概念の明確さの改善が、別れの記憶の侵入・孤独感・別れを語るときの「私たち」という語の減少を説明した。他の指標に群の差はなかった。
読むときの注意
介入は「研究に参加して別れについて繰り返し語る」ことで、日記や手法そのものの効果を試したものではない。効果は自己概念の指標を通したものに限られる。
この研究が根拠になっている悩み(1件)
- 元彼が忘れられないのは、なぜか そこそこ
忘れられなさは自己概念の明確さの低下として測られ、回復はその回復として測られている。
同じ話題で参照している研究
- 離婚予測の交差検証問題(方法論批判・2001)
交差検証を行うと、精度と予測的中率が大きく低下する。報告されていた80〜90%台は、結果を知った後の当てはめによる部分が大きい。 - オンラインデーティングの検証(批判的レビュー・2012)
出会いの数を増やす点は明確な利点。一方、事前のプロフィール情報から相性を予測できるという主張には、支持する証拠が乏しい。 - 新奇な活動と関係の質(実験+現地調査・2000)
目新しく刺激的な活動を共有した条件で、関係の質の評価が上がった。単に楽しい活動では同じ効果は出なかった。 - 別れの予測因のメタ分析(メタ分析・2010)
もっとも強く予測したのはコミットメント・愛情・関係への適応といった内側の変数。人口統計的な属性の予測力は弱かった。 - 別れたあとの感情の経過と、元相手との接触(日誌法(28日)・2005)
愛情は直線的に減り、悲しみ・怒り・安堵は曲線的に変化した。元の相手と接触があると、愛情と悲しみの減り方が遅くなった。愛着スタイルと別れの衝撃が、出発点と変化の速さを予測した。 - 元相手のSNSを見に行くことと回復(質問紙研究・2012)
見に行くことは、別れの苦痛・否定的な感情・性的欲求・相手への渇望の強さ、そして成長の低さと関連していた。つながりを残している人は否定的な感情や渇望が少なかったが、成長は低かった。
書誌情報
Larson, G. M., & Sbarra, D. A. (2015). Participating in research on romantic breakups promotes emotional recovery via changes in self-concept clarity. Social Psychological and Personality Science, 6(4), 399–406.