愛着はタイプか、目盛りか
分類構造の検定(2標本)・2015年・JPSP
この研究は何をしたか
成人の愛着の個人差が「型に分かれる構造」と「連続した次元の構造」のどちらに合うかを、タクソメトリック分析で2つの標本について検定した。全般的な愛着と、親・友人など関係ごとの愛着の両方を扱った。
何が分かったか
どちらの水準でも、個人差は型より連続した次元のモデルに合っていた。「回避型」「不安型」は箱ではなく目盛りとして扱うほうが適切という結論。
読むときの注意
型の呼び名が便利な要約として使えなくなるわけではない。目盛りの位置が何を予測するかは、この研究の範囲外。
この研究が根拠になっている悩み(1件)
- 愛着スタイルで、恋愛のしかたは決まるのか そこそこ
不安と回避という2つの連続した物差しで測るのが標準。タイプの箱ではない。
同じ話題で参照している研究
- リスク調整モデル(レビュー・2006)
相手の好意への確信が高い人は、脅威になりうる出来事を関係の確認に使う。確信が低い人は、同じ出来事を愛情が弱まった証拠として解釈し、先に距離を取る。 - 相互依存理論(理論書・1959)
投資モデルの「満足度」と「代替の質」はここから直接引き継がれている。 - 恋愛への愛着理論の適用(実証研究・1987)
恋愛関係にも、安定・不安・回避に対応するパターンが観察されることを示した。以後の成人愛着研究の出発点。 - 愛着の4分類モデル(実証研究・1991)
回避には2種類ある。人を必要としない拒絶回避型と、近づきたいが怖い恐れ回避型は、行動は似ていても内側が違う。 - 成人愛着はどこまで変わるか(長期追跡(2標本)・2011)
観測されたのは、変動の下に安定した因子があるプロトタイプ型のパターンだった。日々は揺れるが、戻っていく基準点がある。 - 愛着の型と、恋人の行動の読み方(質問紙研究(2研究)・1996)
とらわれ型(不安が強い)の人は出来事をより否定的に説明し、強い動揺と衝突につながりやすい行動を報告した。回避型の人も否定的に説明したが、動揺は報告しなかった。行動の差は説明の仕方と動揺によって媒介されていた。
書誌情報
Fraley, R. C., Hudson, N. W., Heffernan, M. E., & Segal, N. (2015). Are adult attachment styles categorical or dimensional? A taxometric analysis of general and relationship-specific attachment orientations. Journal of Personality and Social Psychology, 109(2), 354–368.