愛着スタイルはなぜ変わるのか

縦断研究(2年)・1997年・JPSP

この研究は何をしたか

高校卒業後の女性155名を、卒業時・半年後・2年後に測定し、愛着の変化が状況への反応なのか、変わりやすさという個人差なのかを調べた。

何が分かったか

結果は主に個人差の見方を支持した。変わりやすい人には以前の厳しい経験が関係していることがあり、変わりやすい人はずっと不安定な人と似た特徴を持っていた。

読むときの注意

女性のみ・155名。「変わりやすさ」は不安定さの一形態として扱われており、望ましい変化の研究ではない。

この研究が根拠になっている悩み(1件)

  • 不安型は治せるのか そこそこ
    不安の目盛りは動く。動かすのは自分の目標を後押しされる経験で、速さは年単位。

同じ話題で参照している研究

  • 恋愛への愛着理論の適用(実証研究・1987)
    恋愛関係にも、安定・不安・回避に対応するパターンが観察されることを示した。以後の成人愛着研究の出発点。
  • オンラインデーティングの検証(批判的レビュー・2012)
    出会いの数を増やす点は明確な利点。一方、事前のプロフィール情報から相性を予測できるという主張には、支持する証拠が乏しい。
  • 愛着の4分類モデル(実証研究・1991)
    回避には2種類ある。人を必要としない拒絶回避型と、近づきたいが怖い恐れ回避型は、行動は似ていても内側が違う。
  • 適応行動(実証研究・1991)
    仕返しの衝動を抑えて建設的に応じる傾向が高いほど、関係の質が高かった。コミットメントが高い人ほどこの行動を取りやすい。
  • ミケランジェロ現象(実証研究・1999)
    相手の理想の自己を肯定するように扱われた人は、実際にその方向へ変化し、関係の質も高かった。相手を彫り出す、という比喩からミケランジェロ現象と呼ばれる。
  • 成人愛着はどこまで変わるか(長期追跡(2標本)・2011)
    観測されたのは、変動の下に安定した因子があるプロトタイプ型のパターンだった。日々は揺れるが、戻っていく基準点がある。

書誌情報

Davila, J., Burge, D., & Hammen, C. (1997). Why does attachment style change? Journal of Personality and Social Psychology, 73(4), 826–838.
恋愛の俗説を、心理学の原典まで遡って確かめています。
根拠の強さを書けない主張は、このサイトでは扱いません。