愛着の目盛りは年齢でどう動くか

長期追跡(3標本の統合)・2019年・JPSP

この研究は何をしたか

3つの長期追跡データ(計628名)を合わせ、Qソート法で測った愛着の不安と回避が13歳から72歳までどう変化するかを、成長曲線モデルで推定した。

何が分かったか

不安は平均して年齢とともに下がり、とくに中年期以降で大きく下がった。回避は生涯を通じて直線的に下がった。交際している状態は、不安と回避の両方が低いことを予測した。

読むときの注意

平均の傾向であり、個人の経過はさまざま。Qソート法による測定で、一般的な質問紙とは異なる。

この研究が根拠になっている悩み(1件)

  • 不安型は治せるのか そこそこ
    不安の目盛りは動く。動かすのは自分の目標を後押しされる経験で、速さは年単位。

同じ話題で参照している研究

  • 恋愛への愛着理論の適用(実証研究・1987)
    恋愛関係にも、安定・不安・回避に対応するパターンが観察されることを示した。以後の成人愛着研究の出発点。
  • オンラインデーティングの検証(批判的レビュー・2012)
    出会いの数を増やす点は明確な利点。一方、事前のプロフィール情報から相性を予測できるという主張には、支持する証拠が乏しい。
  • 愛着の4分類モデル(実証研究・1991)
    回避には2種類ある。人を必要としない拒絶回避型と、近づきたいが怖い恐れ回避型は、行動は似ていても内側が違う。
  • 適応行動(実証研究・1991)
    仕返しの衝動を抑えて建設的に応じる傾向が高いほど、関係の質が高かった。コミットメントが高い人ほどこの行動を取りやすい。
  • ミケランジェロ現象(実証研究・1999)
    相手の理想の自己を肯定するように扱われた人は、実際にその方向へ変化し、関係の質も高かった。相手を彫り出す、という比喩からミケランジェロ現象と呼ばれる。
  • 成人愛着はどこまで変わるか(長期追跡(2標本)・2011)
    観測されたのは、変動の下に安定した因子があるプロトタイプ型のパターンだった。日々は揺れるが、戻っていく基準点がある。

書誌情報

Chopik, W. J., Edelstein, R. S., & Grimm, K. J. (2019). Longitudinal changes in attachment orientation over a 59-year period. Journal of Personality and Social Psychology, 116(4), 598–611.
恋愛の俗説を、心理学の原典まで遡って確かめています。
根拠の強さを書けない主張は、このサイトでは扱いません。