片思いの側は「はっきり断られていない」と記憶する
体験談の比較(要旨のみ確認)・1993年・Journal of Personality and Social Psychology
この研究は何をしたか
片思いをした側と、片思いをされて断った側の体験談を集めて比べた。全文は未読で、APA PsycNet の公式の要旨で確認した範囲。 人数や手順の細部は確認できていない。
何が分かったか
要旨によると、片思いは両側にとってつらい体験で、互いに理解できていなかった。片思いをした側は肯定的な気持ちと強い否定的な気持ちの両方で振り返り、「相手も気があった」「思わせぶりにされた」「はっきり断られたことはない」と信じる傾向があった。断った側はほぼ否定的で、自分に非はないと描きつつ、傷つけたことに罪悪感を持っていた。相手の粘りを迷惑と描く人も多かった。
読むときの注意
全文未読。要旨の範囲だけを書いている。本人が書いた体験談の比較で、出来事そのものを観察したものではない。
この研究が置かれている文脈
同じ片思いでも、した側とされた側では、覚えている形がずれていました。
この研究が根拠になっている悩み(2件)
- 片思いで、はっきり断られないのは望みがあるのか そこそこ
断る側は、好意を向けた側が思うよりずっと断りにくく、はっきり言う代わりに距離を取りやすい。向けた側はそれを断りとして受け取りにくい。 - デートは、終わり方で決まるのか そこそこ
体験の評価は、ピークと終わりに強く左右され、持続時間の影響は小さい。
同じ話題で参照している研究
- 悪いほうが強い(レビュー・2001)
領域を問わず、悪い出来事のほうが強く長く効いた。関係においても、良い相互作用より悪い相互作用のほうが影響が大きい。 - ピーク・エンドの法則(実験・1993)
総量としては苦痛が多いはずの長い版を、多くの人が選んだ。体験の記憶は、いちばん強かった瞬間と終わり方に強く左右され、長さはあまり効いていなかった。 - 断る気まずさを、好意を向けた側は低く見積もる(事前登録・2研究(277人の実体験+385人の実験)・2019)
研究1で、向けられた側の気まずさは平均4.24、向けた側の想像は2.92(d = .78)。断りにくさも3.72対2.84。用意した6指標すべてで、向けた側は低く見積もった。「受け入れなければと感じた」は23%対5%。向けられた側の52%が相手を避けようとしたが、向けた側でそう思っていたのは7%。研究2でも4指標すべてで同じ向き。男女で分けても向きは同じで、向けられた経験がある人は向けた側でも気まずさを高めに見積もった。 - 片思いは88%が経験し、両思いの4倍以上の件数(質問紙(318人+449人)・2013)
88%が何らかの片思いを経験。いちばん多いのは身近な人への伝えていない片思い(63%)。両思いは70%。1人あたりの件数は片思い3.82、両思い0.84で4倍以上。強さは片思いのほうが低かった(平均5.50対6.36)。研究2では、片思いは両思いより情熱・犠牲・依存・続けたい気持ちが低く、「揺れ・緊張」だけが高い。揺れが大きいのは、終わった恋人を想い続ける場合と、自分のほうが好きな交際。 - 断るときに伝える理由は、本当の理由と違う(質問紙(原典未読・解説による)・1982)
相手に伝えた理由は「その夜は忙しい」のような、一時的で、相手と関係のない、限られた理由だった。研究者に話した本当の理由は、変わりにくく、相手そのものに関わる、全体的な理由だった。
書誌情報
Baumeister, R. F., Wotman, S. R., & Stillwell, A. M. (1993). Unrequited love: On heartbreak, anger, guilt, scriptlessness, and humiliation. Journal of Personality and Social Psychology, 64(3), 377–394.