片思いで、はっきり断られないのは望みがあるのか
告白も誘いも、はっきり断られてはいない。だから、まだ望みがあるのかもしれない。
好意を向けられた側は、向けた側が思うよりずっと「ノー」を言いにくく感じていた(気まずさ 平均4.24 対 想像2.92)。その代わりに距離を取る人が多く(52%)、向けた側でそれに気づいていたのは7%。「はっきり断られていない」は、望みの印とは限らない。
恋愛工学の答え
明確な拒絶がない状態を「脈が残っている」と読み、接触を続ける運用です。断る側の気持ちを測って確かめたものではありません。
研究の答え
アメリカの大学の理系の院生277人が、職場での実体験を思い出して答えた調査があります(Bohns & DeVincent 2019)。断る気まずさは、向けられた側の平均4.24に対し、向けた側の想像は2.92(7点満点)。用意した6つの質問のすべてで、向けた側は相手の苦しさを低く見積もっていました。「受け入れなければと感じた」は23%対5%です。
向けられた側の52%が相手を避けようとしていましたが、向けた側でそう思っていたのは7%でした。385人をくじで誘う側・誘われる側に分けた実験でも、同じ向きが出ています。
片思いの体験談を比べた研究では、片思いをした側が「はっきり断られたことはない」と信じる傾向がありました(Baumeister ら 1993、要旨のみ確認)。断る側は罪悪感から、言い訳をしたり避けたりしやすい、と解説されています。片思い自体は、米国の高校生・大学生の88%が2年以内に経験していました(Bringle ら 2013)。
研究の中身
議論されている点
「はっきり断られていなければ望みがある」「押し続ければ振り向く」は、どちらも測られていません。この研究が示したのは、断る側の気まずさを向けた側が低く見積もる、という読み違いの向きです。
「その場かぎりの理由が何回続いたら断りか」も、測った研究は見つかりませんでした。
参照している研究
- Bohns, V. K., & DeVincent, L. A. (2019). Rejecting unwanted romantic advances is more difficult than suitors realize. Social Psychological and Personality Science, 10(8), 1102–1110.
- Bringle, R. G., Winnick, T., & Rydell, R. J. (2013). The prevalence and nature of unrequited love. SAGE Open, 3(2).
- Baumeister, R. F., Wotman, S. R., & Stillwell, A. M. (1993). Unrequited love: On heartbreak, anger, guilt, scriptlessness, and humiliation. Journal of Personality and Social Psychology, 64(3), 377–394.
- Folkes, V. S. (1982). Communicating the reasons for social rejection. Journal of Experimental Social Psychology, 18(3), 235–252.