断る気まずさを、好意を向けた側は低く見積もる
事前登録・2研究(277人の実体験+385人の実験)・2019年・Social Psychological and Personality Science
この研究は何をしたか
研究1:アメリカのある大学の理系の大学院生・研究員942人が回答。職場や研究分野で「好意を向けたが相手は興味がなかった」(101人)か「興味のない相手から好意を向けられた」(176人)体験を思い出し、断る気まずさなどを7点で答えた。研究2:ネットで集めた385人を、くじで誘う側か誘われる側に分け、同僚が残業後に食事に誘う場面文を読ませた。どちらも事前登録。
何が分かったか
研究1で、向けられた側の気まずさは平均4.24、向けた側の想像は2.92(d = .78)。断りにくさも3.72対2.84。用意した6指標すべてで、向けた側は低く見積もった。「受け入れなければと感じた」は23%対5%。向けられた側の52%が相手を避けようとしたが、向けた側でそう思っていたのは7%。研究2でも4指標すべてで同じ向き。男女で分けても向きは同じで、向けられた経験がある人は向けた側でも気まずさを高めに見積もった。
読むときの注意
どちらも職場の場面。研究1は1つの大学の理系の院生で、思い出した体験の自己申告。研究2は想像した場面への回答。恋愛一般や友人どうしで同じかは確かめられていない。
この研究が置かれている文脈
「はっきり断られていない」は、望みの印とは限りません。断る側は、思われているより「ノー」を言いにくく、代わりに距離を取りやすいことが測られています。
この研究が根拠になっている悩み(1件)
- 片思いで、はっきり断られないのは望みがあるのか そこそこ
断る側は、好意を向けた側が思うよりずっと断りにくく、はっきり言う代わりに距離を取りやすい。向けた側はそれを断りとして受け取りにくい。
同じ話題で参照している研究
- 片思いは88%が経験し、両思いの4倍以上の件数(質問紙(318人+449人)・2013)
88%が何らかの片思いを経験。いちばん多いのは身近な人への伝えていない片思い(63%)。両思いは70%。1人あたりの件数は片思い3.82、両思い0.84で4倍以上。強さは片思いのほうが低かった(平均5.50対6.36)。研究2では、片思いは両思いより情熱・犠牲・依存・続けたい気持ちが低く、「揺れ・緊張」だけが高い。揺れが大きいのは、終わった恋人を想い続ける場合と、自分のほうが好きな交際。 - 片思いの側は「はっきり断られていない」と記憶する(体験談の比較(要旨のみ確認)・1993)
要旨によると、片思いは両側にとってつらい体験で、互いに理解できていなかった。片思いをした側は肯定的な気持ちと強い否定的な気持ちの両方で振り返り、「相手も気があった」「思わせぶりにされた」「はっきり断られたことはない」と信じる傾向があった。断った側はほぼ否定的で、自分に非はないと描きつつ、傷つけたことに罪悪感を持っていた。相手の粘りを迷惑と描く人も多かった。 - 断るときに伝える理由は、本当の理由と違う(質問紙(原典未読・解説による)・1982)
相手に伝えた理由は「その夜は忙しい」のような、一時的で、相手と関係のない、限られた理由だった。研究者に話した本当の理由は、変わりにくく、相手そのものに関わる、全体的な理由だった。