悪いほうが強い
レビュー・2001年・Review of General Psychology
この研究は何をしたか
「悪い出来事は良い出来事より心理的な影響が強い」という原則が、対人関係・感情・学習・印象形成など広い領域で成り立つかを横断的に検討した。
何が分かったか
領域を問わず、悪い出来事のほうが強く長く効いた。関係においても、良い相互作用より悪い相互作用のほうが影響が大きい。
読むときの注意
レビューであり、比率(何対何で釣り合うか)を厳密に確定したものではない。よく引かれる具体的な比率の数字は別の研究由来で、扱いに注意が要る。
この研究が根拠になっている悩み(2件)
- なぜ嫌なことばかり残るのか 強い
悪い出来事は良い出来事より、心理的な影響が強く長く残る。領域を問わず成り立つ原則として整理されている。 - デートは、終わり方で決まるのか そこそこ
体験の評価は、ピークと終わりに強く左右され、持続時間の影響は小さい。
関係する理論
- ネガティビティ・バイアス(心理学全般 / 情報処理の非対称)
悪い出来事は良い出来事より、心理的な影響が強く長く残る。
同じ話題で参照している研究
- ピーク・エンドの法則(実験・1993)
総量としては苦痛が多いはずの長い版を、多くの人が選んだ。体験の記憶は、いちばん強かった瞬間と終わり方に強く左右され、長さはあまり効いていなかった。 - 片思いの側は「はっきり断られていない」と記憶する(体験談の比較(要旨のみ確認)・1993)
要旨によると、片思いは両側にとってつらい体験で、互いに理解できていなかった。片思いをした側は肯定的な気持ちと強い否定的な気持ちの両方で振り返り、「相手も気があった」「思わせぶりにされた」「はっきり断られたことはない」と信じる傾向があった。断った側はほぼ否定的で、自分に非はないと描きつつ、傷つけたことに罪悪感を持っていた。相手の粘りを迷惑と描く人も多かった。
書誌情報
Baumeister, R. F., Bratslavsky, E., Finkenauer, C., & Vohs, K. D. (2001). Bad is stronger than good. Review of General Psychology, 5(4), 323–370.