ピーク・エンドの法則

実験・1993年・Psychological Science

この研究は何をしたか

冷たい水に手を入れる不快な体験を、短い版と、同じ内容に少しましな時間を足した長い版で比べ、どちらをもう一度やりたいかを聞いた。

何が分かったか

総量としては苦痛が多いはずの長い版を、多くの人が選んだ。体験の記憶は、いちばん強かった瞬間と終わり方に強く左右され、長さはあまり効いていなかった。

読むときの注意

実験室での不快刺激を扱ったもので、デートや会話の評価を測ったものではない。

この研究が置かれている文脈

体験そのものと、その記憶は別物だという主張の出発点になった研究です。恋愛の文脈では「終わり方が印象を決める」という形で引かれますが、恋愛場面での直接の検証はこの研究ではありません。

この研究が根拠になっている悩み(1件)

関係する理論

  • ピーク・エンドの法則(認知心理学 / 記憶と評価)
    体験の記憶は、いちばん強かった瞬間と終わり方でほぼ決まり、長さはあまり効かないという法則。

同じ話題で参照している研究

  • 悪いほうが強い(レビュー・2001)
    領域を問わず、悪い出来事のほうが強く長く効いた。関係においても、良い相互作用より悪い相互作用のほうが影響が大きい。
  • 片思いの側は「はっきり断られていない」と記憶する(体験談の比較(要旨のみ確認)・1993)
    要旨によると、片思いは両側にとってつらい体験で、互いに理解できていなかった。片思いをした側は肯定的な気持ちと強い否定的な気持ちの両方で振り返り、「相手も気があった」「思わせぶりにされた」「はっきり断られたことはない」と信じる傾向があった。断った側はほぼ否定的で、自分に非はないと描きつつ、傷つけたことに罪悪感を持っていた。相手の粘りを迷惑と描く人も多かった。

書誌情報

Kahneman, D., Fredrickson, B. L., Schreiber, C. A., & Redelmeier, D. A. (1993). When more pain is preferred to less: Adding a better end. Psychological Science, 4(6), 401–405.

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