断るときに伝える理由は、本当の理由と違う
質問紙(原典未読・解説による)・1982年・Journal of Experimental Social Psychology
この研究は何をしたか
デートの誘いを断った女性に、相手に伝えた理由と、本当の理由を尋ねた。原典は未読。 Finkel & Baumeister (2010) の解説章による紹介の範囲。
何が分かったか
相手に伝えた理由は「その夜は忙しい」のような、一時的で、相手と関係のない、限られた理由だった。研究者に話した本当の理由は、変わりにくく、相手そのものに関わる、全体的な理由だった。
読むときの注意
原典未読(出版社のページは取得できなかった)。人数・手順・数値は確認できていない。1982年のアメリカの研究。
この研究が置かれている文脈
「今は忙しい」は、本当の理由とは別の場合があります。ただし、何回続いたら断りか、は測られていません。
この研究が根拠になっている悩み(1件)
- 片思いで、はっきり断られないのは望みがあるのか そこそこ
断る側は、好意を向けた側が思うよりずっと断りにくく、はっきり言う代わりに距離を取りやすい。向けた側はそれを断りとして受け取りにくい。
同じ話題で参照している研究
- 断る気まずさを、好意を向けた側は低く見積もる(事前登録・2研究(277人の実体験+385人の実験)・2019)
研究1で、向けられた側の気まずさは平均4.24、向けた側の想像は2.92(d = .78)。断りにくさも3.72対2.84。用意した6指標すべてで、向けた側は低く見積もった。「受け入れなければと感じた」は23%対5%。向けられた側の52%が相手を避けようとしたが、向けた側でそう思っていたのは7%。研究2でも4指標すべてで同じ向き。男女で分けても向きは同じで、向けられた経験がある人は向けた側でも気まずさを高めに見積もった。 - 片思いは88%が経験し、両思いの4倍以上の件数(質問紙(318人+449人)・2013)
88%が何らかの片思いを経験。いちばん多いのは身近な人への伝えていない片思い(63%)。両思いは70%。1人あたりの件数は片思い3.82、両思い0.84で4倍以上。強さは片思いのほうが低かった(平均5.50対6.36)。研究2では、片思いは両思いより情熱・犠牲・依存・続けたい気持ちが低く、「揺れ・緊張」だけが高い。揺れが大きいのは、終わった恋人を想い続ける場合と、自分のほうが好きな交際。 - 片思いの側は「はっきり断られていない」と記憶する(体験談の比較(要旨のみ確認)・1993)
要旨によると、片思いは両側にとってつらい体験で、互いに理解できていなかった。片思いをした側は肯定的な気持ちと強い否定的な気持ちの両方で振り返り、「相手も気があった」「思わせぶりにされた」「はっきり断られたことはない」と信じる傾向があった。断った側はほぼ否定的で、自分に非はないと描きつつ、傷つけたことに罪悪感を持っていた。相手の粘りを迷惑と描く人も多かった。
書誌情報
Folkes, V. S. (1982). Communicating the reasons for social rejection. Journal of Experimental Social Psychology, 18(3), 235–252.