愛着の安心を育てる関係の状況
理論モデル(レビュー)・2018年・PSPR
この研究は何をしたか
恋愛関係が長期的な愛着の安心をどう育てるかについて、既存の研究を統合して「愛着安心強化モデル」を提案した。
何が分かったか
不安は、自分への自信が育ち、自分についての安心した見方が作られる状況でいちばん下がると仮定される。回避は、よい形で相手に頼れる状況で下がる。相手のその場の対応と、長期の状況は別の働きをする。
読むときの注意
理論モデルであり、それ自体が実証ではない。予測の一部は Arriaga ら (2014) などで支持されている。
この研究が根拠になっている悩み(1件)
- 不安型は治せるのか そこそこ
不安の目盛りは動く。動かすのは自分の目標を後押しされる経験で、速さは年単位。
同じ話題で参照している研究
- 恋愛への愛着理論の適用(実証研究・1987)
恋愛関係にも、安定・不安・回避に対応するパターンが観察されることを示した。以後の成人愛着研究の出発点。 - オンラインデーティングの検証(批判的レビュー・2012)
出会いの数を増やす点は明確な利点。一方、事前のプロフィール情報から相性を予測できるという主張には、支持する証拠が乏しい。 - 愛着の4分類モデル(実証研究・1991)
回避には2種類ある。人を必要としない拒絶回避型と、近づきたいが怖い恐れ回避型は、行動は似ていても内側が違う。 - 適応行動(実証研究・1991)
仕返しの衝動を抑えて建設的に応じる傾向が高いほど、関係の質が高かった。コミットメントが高い人ほどこの行動を取りやすい。 - ミケランジェロ現象(実証研究・1999)
相手の理想の自己を肯定するように扱われた人は、実際にその方向へ変化し、関係の質も高かった。相手を彫り出す、という比喩からミケランジェロ現象と呼ばれる。 - 成人愛着はどこまで変わるか(長期追跡(2標本)・2011)
観測されたのは、変動の下に安定した因子があるプロトタイプ型のパターンだった。日々は揺れるが、戻っていく基準点がある。
書誌情報
Arriaga, X. B., Kumashiro, M., Simpson, J. A., & Overall, N. C. (2018). Revising working models across time: Relationship situations that enhance attachment security. Personality and Social Psychology Review, 22(1), 71–96.