自己拡張モデル
Self-Expansion Model · 社会心理学 / 動機づけと親密性
何を言っている理論か
人は自己を拡張する(できることや視野を広げる)動機を持ち、親密な関係はその主要な手段になる。
研究の性質と注意
目新しく刺激的な活動を共有すると関係の質が上がる。単に快いだけの活動では同じ効果が出なかった点が重要。マンネリは「飽き」ではなく拡張の停止として説明できる。
この理論の主要な研究(3本)
- 離婚予測の交差検証問題(方法論批判・2001)
交差検証を行うと、精度と予測的中率が大きく低下する。報告されていた80〜90%台は、結果を知った後の当てはめによる部分が大きい。
Heyman, R. E., & Smith Slep, A. M. (2001). The hazards of predicting divorce without crossvalidation. Journal of Marriage and Family, 63(2), 473–479. - 新奇な活動と関係の質(実験+現地調査・2000)
目新しく刺激的な活動を共有した条件で、関係の質の評価が上がった。単に楽しい活動では同じ効果は出なかった。
Aron, A., Norman, C. C., Aron, E. N., McKenna, C., & Heyman, R. E. (2000). Couples' shared participation in novel and arousing activities and experienced relationship quality. Journal of Personality and Social Psychology, 78(2), 273–284. - 自己への他者の取り込み(尺度開発・1992)
「相手を自分の一部として取り込んでいる度合い」が、関係の親密さをよく捉えていた。単純な図形選択が、長い質問紙と同等以上の予測力を持った。
Aron, A., Aron, E. N., & Smollan, D. (1992). Inclusion of Other in the Self Scale and the structure of interpersonal closeness. Journal of Personality and Social Psychology, 63(4), 596–612.
この理論を使っている悩み(4件)
- マンネリは避けられないのか 強い
目新しく刺激的な活動を共有すると、関係の質の評価が上がる。単に快いだけの活動では同じ効果が出ない。 - 「一心同体」は良いことなのか そこそこ
相手を自分の一部として取り込んでいる度合いが、親密さをよく捉える。ただし取り込みが常に良いとは限らない。 - 恋は3年で冷めるのか 弱い
「3年」という区切りに実証はない。情熱的な愛は平均的に下がるが、長期でも保っている人がいる。 - 元彼が忘れられないのは、なぜか そこそこ
忘れられなさは自己概念の明確さの低下として測られ、回復はその回復として測られている。