音信不通にする側・される側と愛着
調査(3研究:165名・247名・863名)・2021年・Journal of Social and Personal Relationships
この研究は何をしたか
音信不通(ghosting)で関係を終わらせた経験・終わらされた経験と、愛着の不安・回避の関係を、3つの調査で調べた。
何が分かったか
音信不通にされた側は、されていない人より不安の目盛りが高い傾向が3つの調査すべてで出た(差は中くらいから大きめ。された側と、した側を比べた3研究のまとめは小さい:d=.24)。音信不通にした側の回避は一貫しなかった。 研究1と研究3では高めだったが、事前登録した追試の研究2では差がなく、3研究をまとめると有意な差にならなかった(d=.13、p=.056)。著者も回避との関連は一貫しないと結論している。本文を確認(2026-10-31に訂正)。
読むときの注意
平均の差であって、「音信不通にされる人は不安型だ」とは言えない。回避と音信不通の関連は、この論文では一貫して確認されていない。回顧による自己申告。
この研究が置かれている文脈
された側の不安が高いのは、性格が弱いからとは限りません。確かめようのない状況そのものが、不安を呼びます。なお、以前このページに「音信不通にした側は回避が高い傾向が繰り返し出た」と書いていましたが、本文を読み直した結果、誤りでした。
この研究が根拠になっている悩み(1件)
- 既読無視がつらいのは、なぜか そこそこ
喧嘩の話を文字で送った場面では、期待する返信時間が平均19分から10分に縮み、期待が短いほど・不安が強いほど、来ないときのつらさが強い。
同じ話題で参照している研究
- 拒絶感受性(実験(4研究)・1996)
拒絶感受性が高い人ほど、そっけない対応などの曖昧な行動に意図的な拒絶を読み取った。本人もパートナーも関係に不満を抱えやすい。 - 拒絶感受性メタ分析(メタ分析・2023)
拒絶感受性が高い人ほど、自己評価する魅力度が低く、嫉妬が強く、パートナーからの愛情表現を少なく知覚する傾向があった。 - 恋愛への愛着理論の適用(実証研究・1987)
恋愛関係にも、安定・不安・回避に対応するパターンが観察されることを示した。以後の成人愛着研究の出発点。 - 認知-感情処理システム(理論・1995)
拒絶感受性のような構成概念は、この枠組みの中に位置づけられる。「性格が弱い」ではなく、特定の状況で起動する処理の癖。 - 愛着の4分類モデル(実証研究・1991)
回避には2種類ある。人を必要としない拒絶回避型と、近づきたいが怖い恐れ回避型は、行動は似ていても内側が違う。 - 愛着の型と、恋人の行動の読み方(質問紙研究(2研究)・1996)
とらわれ型(不安が強い)の人は出来事をより否定的に説明し、強い動揺と衝突につながりやすい行動を報告した。回避型の人も否定的に説明したが、動揺は報告しなかった。行動の差は説明の仕方と動揺によって媒介されていた。
書誌情報
Powell, D. N., Freedman, G., Williams, K. D., Le, B., & Green, H. (2021). A multi-study examination of attachment and implicit theories of relationships in ghosting experiences. Journal of Social and Personal Relationships, 38(7), 2225–2248.