喧嘩中は普段より早い返信を期待する
質問紙(架空場面・200人)・2024年・Journal of Social and Personal Relationships
この研究は何をしたか
アメリカの大学生200人(8割が女性、平均20歳、交際中)に、直近の喧嘩を文字で話し合う場面を想像させ、普段の返信時間と、その場面で期待する返信時間、期待より遅かったときの気持ちを答えてもらった。事前調査50人も別にある。
何が分かったか
普段の返信は平均19.3分、喧嘩の話し合い中に期待する返信は平均9.9分で、喧嘩中のほうが早い返信を期待していた。 期待が早いほど、遅れたときの否定的な気持ちが強かった(β = −.17)。不安型の愛着(β = .39)と関係への本気度(β = .27)が強いほど、否定的な気持ちが強かった。回避型とは関連がなかった。事前調査では、期待より遅いと不安 52%、緊張 48%、何も感じない 30%。
読むときの注意
架空の場面を想像させた質問紙で、実際のやりとりは測っていない。8割が女性の大学生。遅い返信の「意味」ではなく、遅いと感じたときの気持ちを測った研究。
この研究が置かれている文脈
付き合ってからの返信の遅さは、相手の好意の指標としてではなく、受け取る側の不安を呼ぶ出来事として測られています。
この研究が根拠になっている悩み(1件)
- 既読無視がつらいのは、なぜか そこそこ
喧嘩の話を文字で送った場面では、期待する返信時間が平均19分から10分に縮み、期待が短いほど・不安が強いほど、来ないときのつらさが強い。
同じ話題で参照している研究
- 拒絶感受性(実験(4研究)・1996)
拒絶感受性が高い人ほど、そっけない対応などの曖昧な行動に意図的な拒絶を読み取った。本人もパートナーも関係に不満を抱えやすい。 - 拒絶感受性メタ分析(メタ分析・2023)
拒絶感受性が高い人ほど、自己評価する魅力度が低く、嫉妬が強く、パートナーからの愛情表現を少なく知覚する傾向があった。 - 恋愛への愛着理論の適用(実証研究・1987)
恋愛関係にも、安定・不安・回避に対応するパターンが観察されることを示した。以後の成人愛着研究の出発点。 - 認知-感情処理システム(理論・1995)
拒絶感受性のような構成概念は、この枠組みの中に位置づけられる。「性格が弱い」ではなく、特定の状況で起動する処理の癖。 - 愛着の4分類モデル(実証研究・1991)
回避には2種類ある。人を必要としない拒絶回避型と、近づきたいが怖い恐れ回避型は、行動は似ていても内側が違う。 - 愛着の型と、恋人の行動の読み方(質問紙研究(2研究)・1996)
とらわれ型(不安が強い)の人は出来事をより否定的に説明し、強い動揺と衝突につながりやすい行動を報告した。回避型の人も否定的に説明したが、動揺は報告しなかった。行動の差は説明の仕方と動揺によって媒介されていた。
書誌情報
Huang, Q., & Yao, S. (2024). No response? Chronemic expectancy violation and relational turbulence in technologically-mediated romantic relational conflict. Journal of Social and Personal Relationships, 41(5), 1183–1206.