別れて戻るの繰り返しと暴力
大規模調査(TARS)・2013年・Journal of Marriage and Family
この研究は何をしたか
若い成人792名の調査(TARS)で、別れて戻るを繰り返している人・ずっと一緒の人・別れたままの人を比べ、身体的な暴力と言葉による暴力の報告率を調べた。同じデータで、半数近くが復縁を経験していることも報告されている(同著者 2013, Journal of Adolescent Research, 28(2), 166–188)。
何が分かったか
繰り返している人は、ずっと一緒の人や別れたままの人と比べて、身体的な暴力の報告が約2倍、言葉による暴力が約1.5倍だった。属性・個人特性・関係の特徴を統制しても関連は残った。別れたままの人は、ずっと一緒の人と同程度だった。
読むときの注意
関連であり因果ではない。問題のある関係ほど別れて戻りやすい、という向きも十分にあり得る。
この研究が根拠になっている悩み(1件)
- 復縁したあと、うまくいくのか そこそこ
戻った関係は平均して質が低く、回数で悪化する。分けているのは戻る理由と、満足度・代替の質。
同じ話題で参照している研究
- 投資モデルの原典(実証研究・1980)
関係を続ける力は、満足度だけでは決まらない。積み上げた投資と、他の選択肢の魅力の両方が効く。 - 代替の切り下げ(実験・実証・1989)
コミットメントが高いほど、代替となりうる相手を実際より低く評価した。関係を守る自動的な維持メカニズム。 - 投資モデルのメタ分析(メタ分析・2003)
満足度・投資量・代替の質はいずれもコミットメントと有意に関連し、合わせて分散のおよそ3分の2を説明した。もっとも強いのは満足度。 - 相互依存理論(理論書・1959)
投資モデルの「満足度」と「代替の質」はここから直接引き継がれている。 - 別れて戻った関係は、何が違うか(質問紙研究(2研究)・2009)
およそ3分の2が別れて戻った経験を持っていた。戻った関係の人は、愛情や理解などの良い点の報告が少なく、意思疎通の問題や不確かさなどの悪い点が多かった。戻った回数が多いほど、悪い点が増え良い点が減った。 - なぜ別れ、なぜ戻るのか(質的研究(聞き取り)・2009)
戻った理由は、他の相手と付き合ってみて良くなかったことと、別れたあとに関係の中身(得るもの−失うもの)が良くなったことに整理された。別れたあとの接触と、付き合っているかどうかの曖昧さが、戻りやすさを後押ししていた。
書誌情報
Halpern-Meekin, S., Manning, W. D., Giordano, P. C., & Longmore, M. A. (2013). Relationship churning, physical violence, and verbal abuse in young adult relationships. Journal of Marriage and Family, 75(1), 2–12.