不安型は、全体の何割いるのか
「不安型は全体の約2割」と、よく書かれています。
原典は1987年の論文で、新聞の恋愛クイズに自分から答えた人の19%。アメリカ全体の代表になるよう選んだ調査では11%だった。どこで誰に聞いたかで動く数字で、日本の代表調査は見つからなかった。
恋愛工学の答え
「安定型5割・回避型2.5割・不安型2割」という割合が、出典なしで広く使われています。
研究の答え
1987年の論文は、新聞の恋愛クイズに自分から答えた人(平均36歳)と大学生に、3つの短い文章から自分に一番近いものを1つ選んでもらいました(Hazan & Shaver 1987)。新聞の回答者は安定56%・回避25%・不安19%、大学生は56%・23%・20%でした。
10年後、アメリカ全体の代表になるよう選んだ人たちで調べると、安定59%・回避25%・不安11%でした(Mickelson ら 1997、要旨で確認)。
のちの研究では、個人差は型より連続した目盛りの形に合っていました(Fraley ら 2015)。いまの研究は2本の目盛りで測るのが基本です。
研究の中身
議論されている点
1987年の論文の本文は入手できず、割合は引用している論文(Alareqe ら 2021、PMCで本文公開)で確認しました。 1987年版の「不安型」の文章には「相手と完全に一つになりたい」という表現があり、のちの改訂版で書き換えられています。
日本の大学生では、とらわれ型(不安が高く回避が低い型)の当てはまり度が安定型より有意に高い、という62地域の比較があります(Schmitt ら 2004)。ただし地域の差は小さく、日本の標本は大学生だけです。
使っている理論
- 成人の愛着(発達心理学 / 対人関係研究への応用)— 近くにいる相手との関係で、人が「近づくこと」と「傷つかないこと」をどう調整するかの枠組み。現在は「見捨てられ不安」と「親密さの回避」という2つの連続した次元で測る。
参照している研究
- Hazan, C., & Shaver, P. (1987). Romantic love conceptualized as an attachment process. Journal of Personality and Social Psychology, 52(3), 511–524.
- Bartholomew, K., & Horowitz, L. M. (1991). Attachment styles among young adults: A test of a four-category model. Journal of Personality and Social Psychology, 61(2), 226–244.