希少性の原理

Scarcity principle · 社会心理学 / 価値判断

何を言っている理論か

手に入りにくいものほど価値が高く見える。もともと多かったものが減った場合は、さらに高く見える。

心理学のどこにあるか

需要と供給という経済の考え方を、個人の価値判断の実験に持ち込んだ研究。のちに説得と影響の研究のなかで、承諾を引き出す原理のひとつとして整理されました。

研究の性質と注意

測られたのは食べ物の評価であって、人への魅力ではありません。 恋愛で駆け引きの根拠として引かれますが、人に適用できるかは別の検証が要ります。相手を意図的に手に入りにくくする行動が同じ結果を生むという裏づけは、この研究にはありません。

この理論の主要な研究(3本)

  • 投資モデルのメタ分析(メタ分析・2003)
    満足度・投資量・代替の質はいずれもコミットメントと有意に関連し、合わせて分散のおよそ3分の2を説明した。もっとも強いのは満足度。
    Le, B., & Agnew, C. R. (2003). Commitment and its theorized determinants: A meta-analysis of the Investment Model. Personal Relationships, 10(1), 37–57.
  • 別れの予測因のメタ分析(メタ分析・2010)
    もっとも強く予測したのはコミットメント・愛情・関係への適応といった内側の変数。人口統計的な属性の予測力は弱かった。
    Le, B., Dove, N. L., Agnew, C. R., Korn, M. S., & Mutso, A. A. (2010). Predicting nonmarital romantic relationship dissolution: A meta-analytic synthesis. Personal Relationships, 17(3), 377–390.
  • 希少性の原理(実験・1975)
    数が少ないほうが高く評価された。もともと多かったものが減った場合は、さらに高く評価された。
    Worchel, S., Lee, J., & Adewole, A. (1975). Effects of supply and demand on ratings of object value. Journal of Personality and Social Psychology, 32(5), 906–914.

この理論を使っている悩み(2件)

恋愛の俗説を、心理学の原典まで遡って確かめています。
根拠の強さを書けない主張は、このサイトでは扱いません。